@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00009995, author = {小阪, 崇幸}, issue = {5}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {May}, note = {原発性側索硬化症 (primary lateral sclerosis: PLS) は, 上位運動ニューロンを選択的に侵す運動ニューロン病と考えられていたが, 近年, 本症はしばしばユビキチン陽性神経細胞内封入体を伴う前頭側頭葉変性症 (frontotemporal lobar degeneration with ubiquitin inclusions: FTLD-U) を示す上位運動ニューロン優位型の筋萎縮性側索硬化症 (amyotrophic lateral sclerosis: ALS) として認知されるようになってきた. 2006年, FTLD-UおよびALSにおいて共通して認められる残存神経細胞内ユビキチン陽性封入体の主要構成蛋白として TAR DNA-binding protein of 43 kDa (TDP-43) が同定された. その後のALS剖検例を対象とした多くのTDP-43免疫組織化学的研究は, TDP-43陽性封入体は運動ニューロンに限局せず, 中枢神経系の広範な部位に出現すること, を明らかにしてきた. このような背景にあって, 現在, ALSはFTLD-Uとともに, TDP-43プロテイノパチーという疾患概念のもと, 運動ニューロン病と認知症 (前頭側頭型) を両端にもつ広い臨床病理スペクトラムの部分をなすものと考えられるようになった. 今回, 我々は神経病理学的にPLSと診断した3例について, 後方視的にその臨床および神経病理所見を再検討するとともに, 抗リン酸化TDP-43抗体 (pTDP-43) を用い, 陽性封入体の出現と分布について解析した. その結果, PLSにおける神経変性が上位運動ニューロンのみに限局せず, ごく軽度ながら下位運動ニューロン, さらには前頭側頭葉や線状体といった非運動ニューロン系にも及んでいることが明らかとなった. また, pTDP-43陽性封入体は, 後頭葉を除いた大脳皮質, 基底核, 脳幹網様体, 黒質, 赤核, 橋核, 嗅球など, より広範に分布し, 前頭葉および線状体では, 高密度に出現していることが示された. PLSは, TDP-43プロテイノパチーのスペクトラム上に存在する上位運動ニューロン優位型ALSとの位置付けで問題ないことが確認されたが, そのTDP-43異常の分布・性状は現行の分類では分類困難という, これまで示されたことのない特異なものであった.}, pages = {248--258}, title = {Primary lateral sclerosis に関する臨床病理学的検討}, volume = {125}, year = {2011} }