@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00009930, author = {平石, 哲也}, issue = {8}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Aug}, note = {【目的】ヒトてんかん性組織に特徴的な興奮の易伝播性を可視化するために, フラビン蛋白蛍光イメージング (Flavoprotein fluorescence imaging: FFI) によりヒト脳組織内の神経活動伝播反応の観察を行い, さらに同組織におけるカルシウム結合蛋白の発現を免疫組織学的に検証し, FFI所見との整合性を検討することでその意義に関する検討を試みた. 【方法】原発性脳腫瘍などの大脳局在病変に対し外科治療を行った10症例を対象とし, 術前のてんかん発作症状の有無によりてんかん群 (5例), 非てんかん群 (5例) に分類した. 各症例で摘出術に伴って得られた腫瘍周囲の大脳皮質組織の一部を培養した状態で実験室へ搬送し, 標本作成を行った. FFIの実験では, bicucullineを加えた人工脳脊髄液で標本を灌流しながら皮質第IV層または第VI層の電気刺激を行い, 青色光励起光 (波長 : 470-490nm) の照射で励起される緑色自家蛍光 (λ =510-550nm) をCCDカメラシステムにて撮影し, 蛍光強度変化 (ΔF/F_0)をカラースケール表示した. 同一標本から得られた切片を用いて, 3種類のカルシウム結合蛋白 (PV, CB, CR) の発現を陽性細胞の数として計測し, FFIの結果と免疫組織学的に比較検討を行った. 【結果】てんかん群全例でFFIにて刺激部から強い蛍光反応が皮質に沿って水平方向に伝播してゆく特徴的な所見が観察され, 非てんかん群ではこのような伝播所見は認めなかった. スライス標本上で計測した伝播域の広さは, 非てんかん群よりてんかん群で有意に大きかったが (p =0.008), ΔF/F_0の最大値には差がなかった. 免疫組織学的検討例でのPV陽性神経細胞の陽性率は, てんかん群で非てんかん群に比べて有意に低く (p =0.006), FFIでの伝播域の広さとは負の相関を示す傾向を認めた (R =0.78, p =0.04). 【結論】ヒト脳組織のスライス標本上でFFI法を用いて, てんかん性皮質に特徴的な皮質活動の水平性伝播所見を明らかにした. FFIでの伝播域の広さと同部のカルシウム結合蛋白陽性細胞の発現率の低下に相関も得られ, 本研究によりヒト脳組織における活動の易伝播性と皮質内抑制機構の欠落との密接な関連性が示唆された.}, pages = {407--414}, title = {フラビン蛋白蛍光イメージングによるヒトてんかん性組織における皮質活動の伝播所見の可視化とその意義の検討}, volume = {125}, year = {2011} }