@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00009916, author = {石原, 智彦}, issue = {9}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Sep}, note = {筋萎縮性側索硬化症 (amyotrophic lateral sclerosis : ALS) は上位および下位運動神経細胞が選択的に障害される代表的な運動ニューロン病であり, 病理学的特徴として残存運動神経細胞において TAR DNA binding protein of 43 kDa 蛋白 (TDP-43) 陽性の細胞質内封入体と核蛋白であるTDP-43の核からの消失を認める. ALSの10%は家族性であるが, そのうち5-10%でTDP-43遺伝子変異を伴う. これらのことからTDP-43はALSの病態に深く関わっていると推察される. TDP-43は不均一核内リボ核酸蛋白のひとつであり, 核内小体を形成し, survival of motor neurons (SMN) 蛋白と共局在する. SMN蛋白を産生するSMN1遺伝子は, 劣性遺伝性の運動ニューロン病である脊髄性筋萎縮症 (spinal muscular atrophy : SMA) の原因遺伝子である. SMAはSMN1遺伝子コピー数の減少により発症し, 下位運動神経細胞優位の運動神経疾患をきたす. SMN蛋白はメッセンジャーRNA前駆体のスプライシングを行う small nuclear RNAs (snRNAs) を成熟, 安定化させる. smRNAsは major spliceosome と minor spliceosomeを構成するものに大別される. SMA蛋白を減少させたSMAモデルマウスではminor spliceosomeを構成するsnRNAsが減少し, 広範なスプライシング異常をきたすことが報告されている. SMAの解析より, snRNAs特に minor spliceosome は, 運動神経細胞死に密接に関与していると考えられる. 著者は, TDP-43が直接snRNAsの成熟に関与する, もしくは共局在するSMN蛋白と共同してsnRNAsの成熟に関与する吋能性を考えた. この仮説を検証するため, TDP-43発現抑制細胞, もしくはALS愚者の神経組織にてsnRNAs量を検討した. その結果, TDP-43発現抑制ヒト培養細胞において, minor spliceosome を中心とする一部のsnRNAsの減少を見いだした. またALS患者の神経組織にて minor spliceosomeの一つであるU12snRNAの有意な低下を明らかにした. 今回の実験結果から著者は, ALSの病態機序として, U12 snRNAの減少による minor splicing pathway の異常を提唱する.}, pages = {469--481}, title = {筋萎縮性側索硬化症における small nuclear RNAs の減少}, volume = {125}, year = {2011} }