@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00009899, author = {樋口, 雅也}, issue = {10}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Oct}, note = {ヒトT細胞白血病ウイルス1型 (HTLV-1) は成人T細胞白血病 (ATL) の原因ウイルスである. ATLは, HTLV-1感染者のうち約5%が, 平均60年の潜伏感染の後に発症する極めて悪性の白血病である. HTLV-1と近縁のヒトレトロウイルスとしてHTLV-2が知られている. HTLV-2はHTLV-1と同様に, 感染T細胞の増殖を促進し不死化させる. しかしながら, HTLV-1と異なりHTLV-2感染は白血病を起こすことはない. 我々はこれらのウイルスのもつトランスフォーミング蛋白, HTLV-1 Tax1 と HTLV-2 Tax2の機能の違いが, 病原性の有無を規定しているとの仮説をたてた. Tax1はマウスT細胞株CTLL-2をIL-2依存性から非依存性へとトランスフォームするが, Tax2においてはその活性が顕著に低下する. この違いはTax1の2つの特異的な機能, PDZドメイン蛍白の不活化とNF-_κB2の活性化に起因することがわかった. またTax2はNFATを活性化する特異的な作用をもち, NFATを介したIL-2の分泌により感染T細胞を増殖させていることが明らかとなった. これらの増殖様式の違いは, HTLV-1感染細胞に遺伝子変異を蓄積させるように働き, その結果としてATLの発症が促される可能性が示唆された.}, pages = {526--531}, title = {ヒトT細胞白血病ウイルス1型 (HTLV-1) による白血病発症機構}, volume = {125}, year = {2011} }