@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00009860, author = {羽入, 修}, issue = {12}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Dec}, note = {糖尿病患者の合併症を抑制するために, 生活習慣の改善で効果不十分な場合は薬物療法が必要となる. しかし日本における従来の糖尿病薬物療法には, 長期間に渡り安全に良好な血糖を維持できない, 優先して用いるべき薬剤を明示した具体的なガイドラインが存在しない等の問題があった. 近年, 新たに用いられ始めているインタレチン関連薬とメトホルミンは,これらの問題点を解決する糸口となりうる可能性がある. インクレチン関連薬としてはDPP4阻害薬とGLP-1誘導体があるが, これらの利点として単独では低血糖を来さない, DPP4阻害薬は体重を増加させず, GLP-1誘導体についてはむしろ体重抑制作用がある. 膵β細胞の機能保持や分化増殖作用, グルカゴン抑制効果等, 従来薬にはない効果が期待されている一方, 注意点として, SU薬との併用では重篤な低血糖を来しうること, インスリン依存症例では無効であるばかりでなく無理な切り替えによりケトアシドーンシスによる死亡のリスクがあること, また長期安全性や合併症抑制のエビデンスが無い事やコスト等が課題となる. 一方メトホルミンは, 従来懸念された乳酸アシドーシスは実際は稀で, 心血管イベント抑制効果や, 単独で低血糖が希, 体重増加が無い, 糖尿治療薬の中で鼻もコストが安い, 二次無効が少ない等のメリットから, 昨今の欧米では第一選択薬と位置づけちれているが, 未だ日本では十分に用いられていない. 最近日本においても高用量まで許可されたメトホルミンが発売開始となり, 高齢者や腎機能障害, 肝機能障害例においても投与制限が若干緩和された. 特に腎機能に応じた最大投与量まで十分量投与することにより, 安全に上記メリットが期待できる. 糖尿病治療薬には, 安全で, 長期間, 経済的, 簡便に, 良好な血糖を維持できることに加え, 血管合併症や生命予後を改善した確かなエビデンスが求められる. メトホルミンは上記要件を満たし, 日本においても第一選択薬とすべきである. インクレチン関連薬は, 将来はメトホルミンと共に糖尿病治療の中核となる可能性があるが, そのためには長期安全性, コスト, 合併症抑制のエビデンスが担保される必要がある.}, pages = {652--656}, title = {2 新しい経口血糖降下薬の使い方(糖尿病の診断と治療の急速な展開,第661回新潟医学会)}, volume = {125}, year = {2011} }