@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00009754, author = {戸枝, 路子}, issue = {3}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Mar}, note = {肝細胞癌の分化度は重要な予後因子とされているが, 分化度に関連する分子の解析は十分でない. 肝細胞の分化に関与する核内転写因子の Hepatocyte nuclear factor 4α (HNF4α) には9つのアイソフォームが存在し, P1アイソフォーム (以下P1と略) とP2アイソフォーム (以下P2と略) に大別される. 本研究ではヒト肝細胞癌の組織学的分化度, 門脈侵襲, 肝内転移, TNM分類とHNF4αアイソフォームの発現について検索し, 予後との関係についても検討を行った. 抗体の評価のためヒト肝細胞癌 (高分化型1例, 中分化型1例, 低分化型1例) と, 2種の肝細胞癌由来の細胞株HepG2, Huh7について3種の抗体を用いた免疫染色とHNF4α蛋白とmRNAの発現が合致し, いずれの方法でもP1, P2を識別できることを確認した. これらの抗体を用いて, 外科的に切除されたヒト肝細胞癌54例 (高分化型15例, 中分化型30例, 低分化型9例) について, 免疫染色を行った結果, 肝細胞癌は全例P1陽性であった. P2の発現は高分化型では低く, 分化度が低くなるにつれ高率になる傾向がみられた (高分化型27%, 中分化型50%, 低分化型100%). 門脈侵襲がみられる症例でのP2陽性率 (90%) は, 門脈侵襲のない例(43%) に比較して有意に高かった. またTNM stage III/IV症例のP2陽性率 (73%) は, TNM stage I/II症例の陽性率 (38%) と比較して有意に高かった. この様に肝切除後の重要な予後因子である脈管侵襲およびTNM分類と, P2発現との関連性が認められた. 肝細胞癌症例54例の生存率および無再発生存率については, P2陽性群とP2陰性群の間で有意差は認められなかった. しかし, 切除2年後の無再発生存率はP2陽性群がP2陰性群に比し有意に低かったことから, P2の発現は術後早期の再発に関連することが示唆された. 以上, P2の肝細胞癌における発現は, 組織学的分化度と予後に関連するものと考えられた.}, pages = {138--148}, title = {ヒト肝細胞癌における Hepatocyte nuclear factor 4α の発現に関する研究}, volume = {126}, year = {2012} }