@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00009639, author = {中村, 公彦}, issue = {8}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Aug}, note = {【背景】画像診断を用いて, 神経膠腫のgrade IIおよびIIIを鑑別する方法論は現時点では確立されていない. 本研究は, この鑑別が, 非侵襲に脳組織内の評価する撮像法であるプロトン磁気共鳴スペクトロスコピー(MRS)のうち, マッピングを可能とするMRS・イメージング(MRSI)を用いることにより可能となるかを検証し, 従来の測定法であり局所の代謝物定量のみが可能であるシングルボクセルMRS(SVMRS)と比較検討することを目的とした. 【症例および方法】対象は, 最終的に病理診断がなされた神経膠腫のうち, grade IIおよびgrade IIIの診断となった初発例26例で, 全例術前に3テスラ装置を用いたMRSIおよびSVMRSを施行した. SVMRSは関心領域を約15mm×15mm×15mmとし, 可能な限り腫瘍に限局するように設けた. MRSIではMRI上, もっとも腫瘍が大きく含まれるスライス面を対象として撮像を行い, 各代謝物のマップを作成, ボクセル毎の数値解析を行った. 2つの測定法より得られた代謝物の定量値および代謝物の比率を最終診断によって得られたgrade間で比較した. 【結果】MRSで観測し得る代謝物においてgrade IIおよびIIIで有意差を呈したものは, SVMRSでは以下の2因子であった:(1)細胞膜の主たる構成物質であるコリン化合物(Cho)の定量値, および(2)コリン化合物/クレアチン比(Cho/Cr). 一方MRSIでは, 以下の3因子で有意差を認めた:(1)腫瘍内のCho/Crの最大値(max-Cho/Cr), (2)N-アセチルアスパラギン酸/クレアチン比の最小値(min-NAA/Cr), (3)腫瘍領域内において最もChoピークの高い部位を対照側のChoピークと比をとった値(rCho). これらの因子間で多変量ロジスティック回帰分析を行ったところmax-Cho/Crが有意な独立因子と認められ, 単変量判別解析で設定された閾値に対して, 感度70%, 特異度が93.7%であった. 以上の結果より, grade IIおよびIIIの神経膠腫の鑑別にMRSが有用であった. 同一症例においてMRSIとSVMRSの解析結果を比較し, 神経膠腫の不均一性を考慮した解析が可能であるMRSIの優位性が示された.}, pages = {423--431}, title = {高磁場装置を用いた磁気共鳴スペクトロスコピー・イメージングによる神経膠腫(grade IIおよびIII)の鑑別診断}, volume = {126}, year = {2012} }