@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00009600, author = {徳武, 孝允}, issue = {9}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Sep}, note = {アルツハイマー病(Alzheimer's disease: AD)は認知症の原因として最も頻度が高い神経変性疾患である. ADを特徴付ける病理学的所見は, 神経細胞の脱落に加えてβアミロイド(Aβ)を主要構成成分とする老人斑およびリン酸化タウを主要構成成分とする神経原線維変化である. AD病態を時間軸からみると, Aβ蓄積が最も早く出現し, それに続きリン酸化タウの蓄積, 神経細胞障害が生じることが知られている. Aβ蓄積に至るメカニズムの解明が進む一方で, Aβ蓄積が異常タウリン酸化を誘導する分子機序は不明な点が多い. 一方で, 2型糖尿病(type 2 diabetes mellitus: T2DM)やインスリン抵抗性がAD発症のリスクとなるという疫学報告が相次いでいる. T2DMとAD病態を結びつける経路として, インスリンシグナル伝達の下流に位置するGSK3βがタウをリン酸化するキナーゼであることが挙げられる. Aβ依存性のタウリン酸化過程にインスリン抵抗性が関与するという仮説を立て, これを検証するために本研究を行った. まず, Aβを産生する細胞とヒト型タウを安定発現するN2a神経芽細胞腫細胞または内在性タウを発現するラット初代神経培養細胞との共培養により, Aβ依存性にタウのリン酸化が誘導される共培養システムを構築した, 次に, 時間依存性に生じるAkt (ser473)およびGSK3β (ser9)のリン酸化によりインスリン刺激依存性のシグナル伝達効率を検討したところ, Aβ依存性のタウ異常リン酸化が生じる条件において, インスリンシグナル伝達が有意に抑制されていた. インスリン抵抗性改善剤であるチアゾリジン系薬剤rosiglitazoneを細胞培養液に添加すると, Aβ依存性に生じるタウ異常リン酸化が抑制された. 以上の結果からAβ依存性に生じるタウ異常リン酸化にはインスリンシグナル伝達の障害が関与している可能性があり, 脳内インスリンシグナルを標的とした治療がタウリン酸化抑制に有効であることが示唆された.}, pages = {465--482}, title = {βアミロイド依存性異常タウリン酸化におけるインスリンシグナル障害の関与}, volume = {126}, year = {2012} }