@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00009556, author = {瀧澤, 一休}, issue = {10}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Oct}, note = {【背景と目的】 放射線誘発マウス胸腺リンパ腫のゲノム解析から, Bcl11bは単離されたがん抑制遺伝子である. T-ALLにおいてBcl11bはハプロ不全ながん抑制遺伝子として働くことが示されている. T-ALL発症に関与する遺伝子変異は, T細胞の分化停止を引き起こすもの(タイプA), 細胞周期の異常などの表現型を与えるもの(タイプB)に大別される. Bcl11bの変異は分化段階の異なるT-ALLサブタイプに広く検出されるため, 後者に属すると示唆されている. しかし, Bcl11bの片アレル欠失の表現型への影響は解析されていない. そこで, Bcl11b^マウスを用い, Bcl11bの片アレル欠失の表現型への影響を調べた. 【結果】 Bcl11b^マウスとBcl11b^<+/+>マウスから胸腺細胞を取り出し, 各分化細胞分画を比較した. ISP細胞とDP細胞の割合が, Bcl11b^で増加していた. これは, DP細胞に分化する前の段階, DP細胞からISP細胞に分化する段階で何らかの障害のあることが示唆された. AnnexinVの発現量を測定し比較すると, CD8SP細胞においてBcl11b^マウスは約3倍高い発現を示した. これは, Bcl11b^遺伝子型がアポトーシスを誘発する傾向にあることを示唆する. 非照射マウスでBrdU投与1時間後, 5時間後の胸腺を解析した. 1時間後のDN, ISP, DP細胞では, ほとんどのBrdU取り込み(BrdU^+)細胞は大きく, S/G2/M期にあった. 一方, 5時間後では, DN, ISP, DP細胞すべてでBrdU^+ FSC^L分画の細胞数は低下し, BrdU^+ FSC^Sが増加した. これはBrdU投与後5時間の間に多くのBrdU^+細胞がS期からG1期に進行したことを示す. BrdU投与後5時間, γ線照射後4時間のDP細胞では, 非照射時にみられたBrdU^+ FSC^S細胞の増加がみられなかった. BrdU^+細胞は大きく, BrdU^+ FSC^L分画にあった. これは照射によるS/G2/M期での細胞周期進行の停止を示唆する. 一方, ISP細胞では, BrdU^+ FSC^L分画の細胞数は低下し, BrdU^+ FSC^Sの増加がみられた. これは照射による細胞周期進行の停止が減弱したことを示唆する. この細胞周期進行停止の減弱は, Bcl11b^<+/+>よりBcl11b^の方でより弱かった. 【考察】 Bcl11b^マウスで, 複数の分化段階で分化の進行に障害を与えること, 電離放射線照射による細胞周期進行の停止を減弱することが示された. これらの結果は, BCL11b変異がタイプBの遺伝子変異グループに属することを示唆する.}, pages = {531--540}, title = {ヒトT細胞性急性白血病へのBcl11bがん抑制遺伝子変異の役割}, volume = {126}, year = {2012} }