@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00009375, author = {飛澤, 泰友 and 佐藤, 孝道 and 笹原, 資太郎 and 齋藤, 利香 and 柴田, 実}, issue = {3}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Mar}, note = {【目的】乳癌の術後照射による放射線潰瘍は骨髄炎等を合併していることが多いため, 保存的治療による回復は極めて困難となる. 外科的治療を選択した場合は, 適切なデブリードマンと血行の豊富な自己組織による被覆が原則となる. 晩期障害として発症した乳癌術後放射線潰瘍の治療を経験したので報告する. 【対象】放射線照射後20年以上を経過して発症し, 2006年10月以降に治療を施行した3例である. 【結果】年齢は平均65.3歳, 照射後発症までの年数は平均28.7年, 再建術後経過観察期間は平均4年6ヵ月であった. 再建に用いた組織は同側の広背筋皮弁が2例, 反対側の大胸筋皮弁が1例であった. 【考察】放射線照射による晩期障害は難治性の潰瘍となりやすく, 照射後数十年経過して発症することも稀ではない. 局所は創傷治癒機序が正常に働かないため, 容易に感染を併発し深部に進行する. 自験例は全例とも過去にHalsted法を施行されており, 発症の要因としては胸筋の合併切除による胸壁の菲薄化, 当時の照射方法や照射器具などが現在とは異なる状況であったと推測されることが挙げられる. 診断に際しては, 二次発癌の報告もあることから悪性腫瘍を念頭におくべきであり, 疑われれば生検も考慮すべきである. デブリードマンの範囲の決定にはしばしば難渋するが, 術前の画像診断は必須である. 術中の肉眼所見も重要であり, 皮膚は潰瘍部のみではなく色素沈着や脱失, 毛細血管拡張部も含めその外側で, 胸骨や肋骨は断端が肉眼的に正常と判断できるまで切除することが肝要である. 再建方法に関しては, 血行の豊富な有茎弁が第1選択となる. 欠損の大きさや各種栄養血管の状態を踏まえたうえで, 使用する組織を適宜選択することが重要である. 胸壁の全層欠損では, 硬性胸壁再建の要否が問題となる. 自験例では全例硬性胸壁再建を施行していないが, 術後に持続する胸郭動揺を呈した症例はない. 術中所見として, 放射線照射によると思われる壁側胸膜の肥厚や周囲組織の線維化を認めており, それらの硬化した組織により胸郭の支持性が保持されたと推測する. 【結論】晩期障害である乳癌術後放射線潰瘍は, 適切な治療により患者のQOLが高まることは明らかである. 保存的治療の限界や, 悪性腫瘍の可能性を認識しながら診断・治療にあたることが重要と考える.}, pages = {141--152}, title = {晩期障害として発症した乳癌術後放射線潰瘍の治療経験}, volume = {127}, year = {2013} }