@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00009354, author = {田中, 淳一}, issue = {4}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Apr}, note = {特発性肺線維症は,慢性かつ進行性の経過をとり,高度の線維化と肺胞構築の改変から不可逆的な蜂巣肺形成に進行する原因不明の疾患である.現在まで有効な治療法は確立されておらず,自覚症状出現後の生存期間は平均約3年とされる難治性肺疾患である.これまでの報告では,間質性肺炎・肺線維症での肺局所でレニン・アンギオテンシン系の活性化が起きていることが確認されアンギオテンシン受容体拮抗薬による肺線維症モデルの改善効果が認められている.一方で近年,アンギオテンシン受容体拮抗薬において,受容体非依存性の新たな作用を呈するドラッグエフェクトが注目されている.イルベサルタンにおいて,PPAR_γの部分活性を有することも報告されている.これまでもPPAR_γリガンドによる肺線維症モデルの改善効果が報告されていることから,レニン・アンギオテンシン系に対する作用に加えPPAR_γ部分活性作用を持つイルベサルタンの肺線維化抑制効果について検討した.8週齢のICRマウスにブレオマイシンを気管内に単回投与し,ブレオマイシン肺線維症モデルを作成した.イルべサルタンはBLM投与の5日前から連日,BLM投与14日後まで胃ゾンデによる経口投与を行い,GW9662はイルベサルタン投与の1時間前に連日腹腔内投与した.14日目に,気管支肺胞洗浄・肺組織を含めたサンプリングを行った.イルべサルタン投与群,およびイルベサルタンにPPAR_γアンタゴニストであるGW9662を加えた群を,ブレオマイシン単独投与群と比較した.イルベサルタンの前投与により,ブレオマイシン投与後14日日の体重減少,肺湿乾重量差の増加,ハイドロキシプロリン量の増加,肺組織所見における肺線維化スコアが全て有意に抑制された.またBALF中の総細胞数,マクロファ-ジ数の増加,TGF-β1,MCP-1濃度の上昇が有意に抑制された.PPAR_γアンタゴニストGW9662は,上記の結果に対して部分的に抑制効果の減弱を示した.以上より,イルべサルタンはアンギオテンシン受容体投与薬としての作用だけでなく,PPAR_γ活性化作用を介して,ブレオマイシンによる肺線維化を抑制する可能性が示唆された.}, pages = {185--194}, title = {ブレオマイシン肺線維症マウスモデルにおけるイルべサルタンの有効性の検討}, volume = {127}, year = {2013} }