@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00009287, author = {岡田, 正彦}, issue = {6}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Jun}, note = {予防医療学の基礎作りには, 患者データの集積と, その数理解析が欠かせない. 本稿では, 私が取り組んできた数理による疾病予防への戦略について述べる. また, 諸外国で行なわれた数々の大規模調査から明らかにされた過剰な医療の実態をまとめ, これからの医療がいかにあるべきかについても考察してみたい. 私がまず取り組んだ研究は, 有用なデータと無用なデータを数学的に区別する方法についてであった. 診療に役立つデータ項目の組合せは, 以下のような条件を同時に満たすものでなければならない. (1)少数の疾患で特異的に陽性になること, (2)他のデータと情報が重複していないこと. 私が見出した公式「相関重みつきエントロピー法」は, 両条件を同時に満たすことができる. これらの努力と並行して, 患者情報をコンピューターに集積する技術についても研究を行ってきた. 欧米においても, この分野の研究は盛んに行なわれ, その成果は現在の電子カルテにつながっている. ところが, しばらくして, まったく新しい発想で大規模臨床試験や大規模コホート調査が行なわれるようになり, 驚くべき結果が相次いで発表された. 分かったことをひと言でまとめれば, 現代医療に総死亡を減らす効果は認められないこと, および無目的に患者データをコンピューターで集めても何ら役に立つことはないという厳粛な事実であった. 医療のあり方を根本から問い直すべき時に来ているように思われる.}, pages = {285--290}, title = {最終講義 数理で考える疾病予防 : 無駄な医療をなくしたい}, volume = {127}, year = {2013} }