@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00009223, author = {岡村, 拓磨}, issue = {9}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Sep}, note = {【緒言】大腸粘膜下層浸潤癌(SM癌)における粘膜下層の間質中に存在する癌の小胞巣である簇出はリンパ節転移危険因子であると報告されており, 内視鏡的粘膜切除後の病理診断でSM癌かつ簇出高度陽性と診断された症例では追加切除が推奨されている. 簇出の検出は, 通常のHE染色では困難なことがあり, 免疫染色の施行により簇出の検出自体は容易になるが, 免疫染色による簇出評価の判定基準は確立されていない. 本研究の目的は, HE染色および免疫染色を用いて判定した簇出個数とリンパ節転移との関連を解析し, 免疫染色における簇出評価の判定基準を立案することである. 【方法】1981年から2008年にリンパ節郭清を伴う外科切除が施行された大腸SM癌310例を対象とした. 病理組織学的リンパ節転移は31例(10%)に認められた. 病変の浸潤最深部を含む連続切片を作製し, HE染色および上皮性サイトケラチンCAM5.2免疫染色を行った. 簇出は, 癌発育先進部の間質中に存在する単個ないしは5個未満の癌胞巣を簇出と定義し, 簇出が最頻出するSM浸潤部を選定し, 20×10倍1視野当たりの簇出個数を算定した. 染色別にROC曲線を作製し, リンパ節転移予測の正確度が最も高い簇出個数の閾値を決定した. 【結果】HE染色, CAM5.2免疫染色を用いて評価した簇出検出個数の平均±標準誤差は, 各々3.5±0.2, 8.4±0.5であり, CAM5.2免疫染色を用いて評価した方が有意に簇出検出個数は増加した(p<0.001). リンパ節転移陰性であった279例におけるHE染色, CAM5.2免疫染色を用いて評価した簇出検出個数は各々3.3±0.2, 8.1±0.5であったのに対し, リンパ節転移陽性であった31例では各々5.7±0.8, 11.6±1.5であり, リンパ節転移の有無別で検討してもCAM5.2免疫染色で検出される簇出個数はHE染色と比較して有意に増加した(各々p<0.001). ROC曲線から簇出高度陽性と判定する族出個数の閾値はHE染色, CAM5.2免疫染色で各々5, 8となり, リンパ節転移予測の正確度は各々73.2%, 59.7%であり, HE染色を用いて評価した簇出判定基準の方がリンパ節転移予測の正確度が高かった. 【結語】リンパ節転移予測の正確度を基盤とした大腸SM癌における簇出評価の判定基準は, HE染色では5個以上, CAM5.2免疫染色では8個以上の簇出検出個数をもって簇出高度陽性と定義できる. ただし, リンパ節転移予測の正確度はHE染色を用いて簇出を検出した方が高い.}, pages = {490--499}, title = {大腸粘膜下層浸潤癌における簇出(budding)の組織学的評価}, volume = {127}, year = {2013} }