@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00009222, author = {折目, 真理}, issue = {9}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Sep}, note = {【はじめに】KOH-コラゲナーゼ法は, 組織の結合組織線維成分を除去することで, 残った細胞成分を走査型電子顕微鏡(走査電顕)で立体的に観察することができるようにする手法である. 本研究では, この方法をヒトの皮膚に応用し, 手掌部や有毛部の皮膚の立体微細構造を解析することを目指した. 【材料と方法】皮膚標本は肉眼解剖体, 手術標本と生検から得られた, 指腹の皮膚と有毛部の皮膚を用いた. 光学顕微鏡観察のために10%ホルマリンで固定後, パラフィン切片にヘマトキシリン・エオジン(HE)染色を施した. また, 走査電顕観察のために, 固定した組織を2%グルタールアルデヒドで再固定した後, KOH-コラゲナーゼ法を施し, 表皮と真皮を剥離し, 剥離された両者に導電染色, 脱水, 臨界点乾燥, 金属コーティングを施し, 走査電顕で観察した. 【結果】KOH-コラゲナーゼ法により, 皮膚の表皮と真皮の境界面を剥離してその表面立体形状を観察することが可能となった. 指腹の皮膚の表皮真皮境界部は, 指紋状に配列した表皮稜と, 稜間に納まる真皮乳頭が入り組んで構成されていた. 表皮稜は, 汗管を有する一次表皮稜と, 汗管を持たない二次表皮稜からなり, 両者は交互に配列し, 一次表皮稜の表皮基底面ではとくに汗管近傍に無髄神経線維が発達していた. 一方真皮面では, 真皮乳頭に線維芽細胞の細胞突起の網で覆われた毛細血管をみとめた. 有毛部皮膚の表皮基底面は, 若年者では太くしっかりとした表皮稜と付属器から成り立っていたが, 老年者では凹凸の目立たない平坦な面となり, 付属器にも萎縮を認めた. 【考察】本法では, 表皮稜からなる表皮基底面と, 対する真皮乳頭の立体微細構造を相補的に解析することができる点で過去の方法にまさっている. したがって, 手掌部皮膚と有毛部皮膚の表皮稜と真皮乳頭の立体構造とその部位差, 年齢変化など詳しい解析に有用であることが期待される. また, 皮膚科領域における臨床, 組織学的診断の場において, この方法を用いて走査電顕で観察することによって病変部位を立体的に解釈することが容易になり, 総合的な理解に発展すると考えられる.}, pages = {482--489}, title = {ヒトの皮膚における表皮稜と真皮乳頭の立体構造解析 : KOH-コラゲナーゼ法を用いた走査電子顕微鏡観察}, volume = {127}, year = {2013} }