@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00009171, author = {羽入, 修}, issue = {10}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Oct}, note = {近年日本においては, 肥満者や非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)罹患者が増加している. NAFLDの一部は非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を経て肝硬変や肝癌を発症する可能性が報告されている. 肥満に伴い発生するインスリン抵抗性とNASHは, 原因及び結果として, 双方向に密接に関わる事が報告されている. インスリン抵抗性は「インスリンが作用する臓器においてインスリン感受性が低下し, インスリン作用が充分に発揮できない状態」と定義され, 原因として, 運動不足による糖消費低下や筋量減少, 加齢, ストレス, 血糖上昇に伴う糖毒性, 脂質異常症に伴う脂肪毒性などの環境因子や, 各種遺伝的要因に加え, 内臓脂肪蓄積によるアディポカインの分泌異常が挙げられている. インスリン抵抗性の評価には, 一般的にHOMA-IR(Homeostasis model assessment for insulin resistance)が用いられるが, 近年, インスリン抵抗性を反映するバイオマーカーとして, 静注前血清リポ蛋白リパーゼ量(Preheparin serum lipoprotein lipase mass;Pr-LPL)や, 高感度CRP(hs-CRP)等が提案されている. インスリン抵抗性には, 血糖上昇のみならず, 高血圧, 脂質異常症などを合併することが多く, 動脈硬化症のハイリスク群とされるが, 近年インスリン抵抗性の表現型の一つとしてNASHが発生する機序が想定されている. すなわち過栄養による肝臓へのTGの過剰蓄積が1st hit(NAFLD)であり, そこに内蔵脂肪由来の過剰な遊離脂肪酸とアディポカインの分泌異常が2nd hitとして肝障害を来し, NASHに至るとされる. 一方, NAFLD, NASH, 肝硬変と進行するに伴い, 肝臓におけるインスリン受容体の減少やヘパトカインの分泌異常, 炎症性サイトカイン誘導, 肝細胞数減少等によりインスリン抵抗性は更に高度となる. このようにインスリン抵抗性とNASHをはじめとする肝疾患が, 互いに悪循環を形成する. 近年, 肝臓はヘパトカインや自律神経系を介し, 全身の糖エネルギー代謝の調節に重要な役割を担っていることが明らかとなってきている. メタボリック症候群, インスリン抵抗性, NAFLDの状態を早期に発見し介入することで, 動脈硬化性疾患の予防のみならず, NASH, さらには肝硬変, 肝臓癌の抑制につながると考えられる.}, pages = {521--524}, title = {5 NASHとインスリン抵抗性(シンポジウム NASHの診断と治療, 第676回新潟医学会)}, volume = {127}, year = {2013} }