@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00008982, author = {滝沢, 一泰 and 若井, 俊文}, issue = {5}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {May}, note = {【緒言】膵癌は, 罹患数と死亡数がほぼ同数であり難治性消化器癌の代表である. 膵癌の予後予測因子としては組織分化度, リンパ節転移の有無, 癌遺残の有無などの病理学的因子が報告されている. 近年, 大腸癌, 食道癌, 胃癌および乳頭部癌などの消化器癌において, 簇出が腫瘍の浸潤性発育を反映し予後予測因子であることが報告されている. 本研究の目的は, 外科切除された浸潤性膵管癌を対象として, HE染色およびAE1/AE3免疫染色を行い簇出の評価方法を確立することである. また, 簇出を臨床病理学的因子と比較検討し, 高簇出群は術後の転移・再発により術後成績は不良であるという仮説を立て, 簇出の予後予測因子としての臨床的意義を解明することである. 【方法】1990年から2010年に切除された浸潤性膵管癌81例を対象とした. 症例の平均年齢は65.6歳(38-74歳), 性別は男性54例, 女性27例であった. 腫瘍の最大割面を代表切片とし, HE染色, AE1/AE3免疫染色を行った. 簇出の定義は癌発育先進部の間質に認められる5個未満の細胞からなる癌胞巣とした. 各染色別の簇出のカットオフ値は, Cox比例ハザードモデルによるカイ二乗値を基準として決定した. 【結果】簇出検出個数の平均±標準誤差はHE染色で7.8±0.5個であり, AE1/AE3免疫染色で15.3±1.0個であった. 各染色別での簇出カットオフ値は, HE染色では13個以上(X^2=23.123, P<0.001)を高簇出群, AE1/AE3免疫染色では15個以上(X^2=9.236, P=0.002)を高簇出群とした. HE染色, AE1/AE3免疫染色ともに高簇出群はTNM分類でのG3(低分化型)と有意に関連していた(各々, P=0.016, P<0.001). 多変量解析では, TNM分類G3(ハザード比2.062, P=0.011), 顕微鏡的癌遺残(ハザード比2.603, P=0.001)およびHE染色での高簇出(ハザード比5.213, P<0.001)が独立した有意な予後不良因子であった. HE染色で評価された高簇出群の累積2年生存率は0%, 生存期間中央値は11.9か月であり, 低簇出群の累積2年生存率43.1%, 生存期間中央値21.7か月と比較して有意に術後成績は不良であった(P<0.001). 【考察】浸潤性膵管癌において簇出を検討した報告は少なく, 高簇出を定義する統一基準に関する報告はない. 多変量解析の結果では, HE染色での高簇出が最も強い独立した予後不良因子であった. AE1/AE3免疫染色では簇出の検出が容易で多数の簇出が検出されるにもかかわらず, HE染色で診断された簇出高度陽性判定基準のほうが予後因子として有用であった. この原因としては, AE1/AE3免疫染色はすでに生物学的活性を失っている癌細胞も簇出として計測している可能性が考えられた. 【結語】浸潤性膵管癌の簇出診断では, HE染色(簇出カットオフ値13個)の方がAE1/AE3免疫染色(簇出カットオフ値15個)より予後因子として有用である.}, pages = {216--226}, title = {浸潤性膵管癌における簇出と臨床病理学的因子および予後との関連}, volume = {128}, year = {2014} }