@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00008981, author = {辰田, 久美子 and 若井, 俊文}, issue = {5}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {May}, note = {センチネルリンパ節生検(sentinel node biopsy:SNB)は術前評価で原発巣T1-T2, かつ臨床的N0症例では標準手技となっている. これまでに腫瘍径, リンパ管または静脈侵襲, 核異型度, ホルモン受容体の有無, 年齢などの臨床病理学的因子が用いられ, リンパ節転移予測因子として報告されてきている. さらに近年では, molecular subtypeも腋窩リンパ節転移予測に役立つと報告されてきている. 一方, 細胞増殖能の指標であるKi-67標識率は乳癌の予後因子として近年用いられているが, センチネルリンパ節転移との関連についてはこれまでに明らかにされていない. 今回我々は, さまざまな臨床病理学的因子, 及びKi-67標識率とセンチネルリンパ節転移の有無との関連について調べ, 乳癌におけるセンチネルリンパ節転移を予測するのに有用であるか否かを検討した. 2010年~2012年の期間に当科で手術を行った浸潤性乳管癌症例のうち, 年齢, 腫瘍浸潤径, 核異型度, 脈管侵襲の有無, ホルモン受容体発現, Her2受容体発現, などの臨床病理学的因子に加え, Ki-67標識率検索が全て施行されている症例を検討の対象とした. センチネルリンパ節転移と年齢, 腫瘍浸潤径, 核異型度, 脈管侵襲の有無, ホルモン受容体発現, Her2受容体発現, などの臨床病理学的因子との関連を調べた. さらにKi-67標識率とセンチネルリンパ節転移との関連についても検討した. 統計学的解析はMann-Whitney U検定, カイ2乗検定, およびロジスティック回帰モデルによる多変量解析を用いた. またKi-67標識率のカットオフ値はROC(Receiver Operating Characteristic curve)解析を用いた. 統計学的判定はP<0.05を有意とした. 対象例117例のうち22例(18.8%)にセンチネルリンパ節転移を認めた. センチネルリンパ節転移陽性例では有意に腫瘍径が大きく(P<0.0001), また, T2-T3症例ではT1症例に比し有意に転移陽性の割合が高かった(P=0.0086). さらにセンチネルリンパ節転移は脈管侵襲(リンパ管侵襲・静脈侵襲)と有意な関連を認めたが(P=0.0125), 核異型度やホルモン受容体発現, Her2発現, subtype分類との関連は認められなかった. Ki-67標識率はセンチネルリンパ節転移陽性例では転移陰性例に比し有意に低値であった(P=0.0331). ROC解析で求めたカットオフ値7.5%を用いた結果, Ki-67標識率高値群では低値群に比し有意にセンチネルリンパ節転移陽性の割合が少なかった(P=0.0197). T-因子, 脈管侵襲, およびKi-67標識率について多変量解析を行った結果, センチネルリンパ節転移のリスクは, T因子ではT2-3はT1に対しハザード比3.580(P=0.021, 95%信頼区間1.208-10.611), 脈管侵襲(LVI)では脈管侵襲ありが脈管侵襲なしに対しハザード比4.976(P=0.041, 95%信頼区間1.069-23.159)であった. また, Ki-67標識率では低値群が高値群に対しハザード比4.051(P=0.016, 95%信頼区間1.302-12.602)であった. 以上のことから, T因子, 脈管侵襲, およびKi-67標識率の3つの因子はセンチネルリンパ節転移の独立した予測因子であることが示された. 乳癌センチネルリンパ節生検において, 腫瘍径や脈管侵襲はセンチネルリンパ節転移の危険性を予測する因子であるが, Ki-67標識率も独立したセンチネルリンパ節転移予測因子となり得る.}, pages = {205--215}, title = {乳癌センチネルリンパ節転移と臨床病理学因子およびKi-67標識率との関連}, volume = {128}, year = {2014} }