@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00008829, author = {関根, 有美 and 西澤, 正豊}, issue = {9}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Sep}, note = {糖尿病は, 糖尿病性網膜症や糖尿病性腎症, 糖尿病性末梢神経障害を引き起こす. この病態機序の背景には血液臓器関門機能の障害がある. 一般に血液臓器関門は, 内皮細胞, それを取り囲む周皮細胞, グリア細胞にて構成される. 糖尿病性網膜症では, このうち, 周皮細胞の喪失が重要とされる. 神経系では主として末梢神経障害について論じられている. しかし, 糖尿病が認知症やAlzheimer病の発症リスクとなることから, 血液脳関門も同様に障害されることが推定されるが, その研究, 特に, 周皮細胞の障害についての研究は進んでいない. そこで, 本研究では, 1型糖尿病モデルマウスを用い, 脳小血管障害について, 病理学的に検討した. 方法として, streptozotocinの投与により1型糖尿病モデルマウスを作成し, 1か月後に脳標本を作製し, 免疫蛍光染色を行った. 大脳皮質・海馬・線条体でレーザー共焦点顕微鏡により画像を取得し, 3次元画像を構築して定量解析を行った. 周皮細胞障害は小血管内皮細胞を取り囲む周皮細胞の体積比率(被覆率)を, 血管内皮細胞障害は形態学的変化と体積を, 血液脳関門の機能障害は, 血漿成分fibrinogenの血管壁への沈着と, 同部位の活性化ミクログリアを, 定量的に解析した. その結果, 大脳皮質では, 周皮細胞の被覆率が低下し, 内皮細胞障害, fibrinogenの血管壁への沈着と活性化ミクログリアの肥大化を認めた. 海馬でも, 周皮細胞の被覆率の低下と, fibrinogenの血管壁への沈着を認めたが, 内皮細胞障害と活性化ミクログリアの肥大化は認めなかった. 一方, 線条体では, いずれの変化も認めなかった. 以上の結果から, 本研究では, 1型糖尿病モデルマウスの脳小血管で, 周皮細胞被覆率の低下と, fibrinogenの血管壁への沈着を伴うことを示し, 周皮細胞の被覆率の低下が, 本モデルの脳小血管障害の早期の変化であることを示した. 周皮細胞の喪失は, 糖尿病における網膜小血管の障害でも早期に認めることから, 高血糖による小血管障害の普遍的な機序である可能性がある. 一方, 脳の部位により, 高血糖に対する小血管の脆弱性は異なり, 小血管障害には脳内で多様性があることが示された. 高血糖下での周皮細胞の脆弱性に関わる分子病態機序の解明は, 糖尿病における小血管障害の治療標的に繋がることが期待される.}, pages = {435--446}, title = {1型糖尿病モデルマウスの脳小血管における周皮細胞被覆率の低下}, volume = {128}, year = {2014} }