@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00008817, author = {蛭間, 有紀子 and 山内, 春夫}, issue = {10}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Oct}, note = {法医学分野における個人識別は, 身元不明死体の身元確認の為に行われることが多く, 該当者の検索と, 該当者と死体との様々な身体特徴を一対一で比較し, 同一人か否かを判定する異同識別の2つのプロセスがある. 前頭洞の形態比較は腐敗など死後変化の影響を受けにくい骨構造を利用した個人識別の一法で, 様々な手法が提唱されている. 該当者の生前資料として提供されることが多い5mmスライス厚の頭部CT画像は, 前頭洞の形態を十分に観察できず, 前頭洞の形態比較を用いた個人識別にあまり活用されていなかった. そこで5mmスライス厚の頭部CTを画像処理し単純X線写真様のRaySum像にしてから前頭洞の形態を比較することで, 個人識別に活用できるかを検証する目的で本研究を行った. 具体的には105症例の2mmスライス厚の死後頭部CT画像と5mmスライス厚の生前頭部CT画像から作成した2種類のRaySum像について, それぞれ左右前頭洞の面積, 幅, 頂点位置, 眼窩間距離を計測した. これから眼窩間距離で補正した右前頭洞面積(R), 左前頭洞面積(L), 左右前頭洞面積合計(S)と幅(W), 頂点位置(T)を算出し, 同一人の2種類の画像の計測値差を求めた. 各パラメーターについて, この計測値差が許容範囲内であれば同一人の可能性がある該当者とする該当者検索法を考案し, 様々な計測値差の許容範囲を設定したときの検索法の感度や特異度を計算した. 検索に用いる計測値差の許容範囲をE(Rの計測値差, Lの計測値差, Sの計測値差, Wの計測値差, Tの計測値差)としたとき, E(0.30, 0.30, 0.30, 0.30, 0.30)の条件で検索法を利用すると, 感度は86.7%, 特異度は93.0%であり, 105症例のうち, 66症例は該当者が10人以下に絞り込まれた. 頭部CTのRaySum像を利用し5種類のパラメーターを比較する該当者検索法は, 該当者の絞り込みに有用であることが示された. この検索法の他にも, 例えば片側の前頭洞が欠損している, 前頭洞が非常に大きいなど, 稀な形態の症例は, その特徴を絞り込みに利用できる可能性がある. また絞り込まれた該当者についてRaySum像同士の比較で異同識別を行える可能性があり, 5mmスライス厚の頭部CT画像も, RaySum像を用いて前頭洞の形態比較をすることで, 個人識別に有効に活用できることが示された.}, pages = {515--530}, title = {前頭洞による個人識別と頭部CT : RaySum像の利用}, volume = {128}, year = {2014} }