@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00008801, author = {渡邉, マヤ and 高橋, 昌 and 土田, 正則 and 斎藤, 亮彦 and 西塔, 毅}, issue = {11}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Nov}, note = {人工心肺下心臓手術術後の急性腎障害(AKI)は, 短期, 長期の予後予測因子として注目されている. 早期治療介入, 予後改善のためには周術期のAKI発症を早期に予測することが必要である. しかし, AKI診断に用いられる「血清クレアチニン(Cre)の上昇」は腎機能障害の結果であり, 上昇時にはすでに一定の障害が進行しているため, 潜在的な腎機能障害を予測することはできない. 早期予測因子として各種尿中バイオマーカーが検討されているが, 新生児は発達途上の腎の未熟性, 脆弱性があり, 血清Creや各種バイオマーカーの動態も成人とは異なると考えられ, 成人と同等に論じることはできない. さらに, 新生児早期では出生直後の血清Creは自身の腎機能を反映せず, 母体血清Creを反映するため血清Creを用いたAKI診断自体が難しいことがある. 今回, 新生児期人工心肺下心臓手術周術期の各種尿中バイオマーカーを定量し, AKIの早期予測因子としての可能性を検討した. 2010年5月から2013年7月に当科で施行した新生児症例28例を対象とし, 周術期の血清Cre, 尿中アルブミン(Alb), α1-microgrobulin(α1MG), β2-microglobulin(β2MG), neutrophil gelatinase-associated lipocalin(NGAL), N-acetyl β-D glucosaminidase(NAG)を定量した. 尿中バイオマーカーは尿中Cre補正値を用いて検討した. AKINの診断基準に基づきAKIを評価し, AKI群(A群)と非AKI群(N群)の二群に分けて比較検討した. 対象28例中, AKI発症は13例(46.4%)であった. 手術死亡3例はいずれもAKI stage3症例であり, 背景因子では, A群において手術時間が有意に長かった. 術直後, 1病日血清Creに有意差は認められなかったが, 2病日血清CreではA群において有意に高値(p=0.014)であった. 尿中Alb/Cre, 尿中β2MG/Cre, 尿中NGAL/Cre値に両群間で統計学的有意差は認められなかった. 尿中α1M/Cre, 尿中NAG/Creは, 人工心肺離脱後3時間という早期からA群で有意に高値であった. ROC-AUC値(感度, 特異度)は, 尿中NAG/Creで人工心肺離脱後3時間:0.794(75%, 80%), 6時間:0.744(76.9%, 73.3%), 12時間:0.794(83.3%, 66.7%), 尿中α1MG/Creで人工心肺離脱後3時間:0.774(66.7%, 80%), 6時間0.731(69.2%, 73.3%), 12時間:0.761(75%, 63.3%)と比較的良好であった. 尿中NAG/Cre, 尿中α1MG/Creの二因子を組み合わせることにより診断精度を上げることができ, 新生児期人工心肺下心臓手術の術後AKIの早期診断マーカーとしての有用性が示唆された.}, pages = {593--602}, title = {新生児期人工心肺下心臓手術における術後急性腎障害発症予測因子としての尿中バイオマーカーの重要性}, volume = {128}, year = {2014} }