@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00008782, author = {須藤, 翔 and 若井, 俊文}, issue = {12}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Dec}, note = {【目的】酸化ストレス応答において重要な転写因子であるnuclear factor erythroid 2-related factor 2(Nrf2)は, NAD(P)H: quinone oxidoreductase-1(NQO1)を活性化し, 細胞を酸化ストレスや発癌から防御している. 乳癌, 大腸癌, 肺癌, 肝細胞癌, 膵臓癌における変異NQO1発現に関する報告が散見されるが, 肝内胆管癌におけるNrf2およびNQO1発現と術後成績との関連は未解明である. 本研究の目的は, 肝内胆管癌におけるNrf2およびNQO1発現を検討し, これら転写因子の発現が予後に与える影響を明らかにすることである. 【対象と方法】1992年1月から2012年10月までに当科で根治切除が施行された肝内胆管癌43例を対象とし, Nrf2およびNQO1発現を免疫組織化学にて検討した. 非腫瘍性肝内胆管上皮細胞をコントロールとして, 腫瘍細胞のNrf2およびNQO1発現を発現陽性と発現欠失とに分類した. NQO1発現欠失例は, 同一標本内の非腫瘍性肝内胆管上皮細胞はNQO1発現陽性を示すが, 腫瘍細胞はNQO1発現が欠失した"NQO1発現陰性化"群, 非腫瘍性肝内胆管上皮細胞がNQO1遺伝子多型によりNQO1発現欠失を示す"Polymorphism"群の2群に分類した. 13種類の臨床病理学的因子に関して単変量(log-rank検定), 多変量解析(Cox比例ハザードモデル)を用いて生存解析を行った. 経過観察期間中央値は45か月であった. 【結果】Nrf2およびNQO1発現:Nrf2発現陽性は31例, 発現欠失は12例であり, NQO1発現陽性は28例, 発現欠失は15例であった. Nrf2発現とNQO1発現との間に有意な関連を認めた(P=0.012). NQO1発現様式と腫瘍の組織分化度に関しては, NQO1発現欠失を示す頻度は高分化型で10%(10例中1例), 中~低分化型では42%(33例中14例)であった. 術後成績:全症例の累積3年生存率は44%, 生存期間中央値は22か月であった. NQO1発現欠失群(累積3年生存率13%, 生存期間中央値18か月)は発現陽性群(累積3年生存率60%, 生存期間中央値66か月)と比較して術後成績は有意に不良であった(P=0.009). Nrf2発現と術後成績に有意な関連は認められなかった(P=0.172). 多変量解析では, リンパ節転移(P=0.003), 遠隔転移(P=0.007)およびNQO1発現欠失(P<0.001)が独立した予後不良因子であった. NQO1遺伝子多型およびNQO1発現陰性化:NQO1発現欠失15例中, Polymorphism群は10例, NQO1発現陰性化群は5例であり, 肝内胆管癌切除例において, NQO1遺伝子多型によりNQO1発現欠失を示す頻度は23%(43例中10例)であった. NQO1発現陰性化群が最も術後成績不良(累積3年生存率0%, 生存期間中央値18か月)であり, Polymorphism群は累積3年生存率30%, 生存期間中央値15か月, NQO1発現陽性群が最も術後成績良好(累積3年生存率60%, 生存期間中央値66か月)であった(P=0.029). 【結論】NQO1発現欠失は, 肝内胆管癌における独立した予後不良因子である. NQO1発現欠失例には, 遺伝子多型によりNQO1発現が欠失した症例と, NQO1発現陰性化症例が含まれ, NQO1発現陰性化群の予後はより不良である.}, pages = {660--670}, title = {肝内胆管癌におけるNAD(P)H : quinone oxidoreductase-1発現の臨床的意義}, volume = {128}, year = {2014} }