@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00008780, author = {小田, 佳奈子 and 笹岡, 俊邦}, issue = {12}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Dec}, note = {【目的】生殖工学的操作はマウスの生産に広く活用されているが, 私は, 生殖工学的操作で欠かせない体外培養が初期胚の発生および個体発生に及ぼす影響を明確にするため, 体外培養した初期胚の発生の早さ・細胞数・遺伝子発現の解析, および体外培養胚から生産した個体と自然交配で得た個体の主要な臓器重量の比較等の解析を行った. 【方法と結果】マウス胚を組換えヒトアルブミン(r)を加えたrKSOMaa培地またはrMW培地で培養を行ったものを体外培養(In vitro)胚とし, 偽妊娠マウスに移植を行ったものを母体内発生(In vivo)胚として解析を行った. In vitro胚とIn vivo胚の形態を比較した結果, 胚盤胞期胚の形態の違いが観察され, In vitro rKSOMaa区およびIn vivo区では高率で胚盤胞期胚へと発生することが分かった. 胚盤胞期胚への発生時期を解析したところ, In vitro rKSOMaa区はIn vitro rMW区より胚盤胞期胚への発生が早いことが観察され, 培養培地の違いによっても発生率に違いが見られた. 免疫抗体法を用いて簡便に媒精後96時間における内部細胞塊(ICM)および栄養外胚葉(TE)の細胞数を計数した結果, In vitro rKSOMaa区では, In vivo区に比較して, ICM数は少ない(p<0.05)が, TE数は多く(p<0.05), 総細胞数は同等であった. TUNEL法を用いてアポトーシス細胞数を計数した結果, In vitro rKSOMaa区およびIn vivo区と比較しIn vitro rMW区で多かった(p<0.05). 胚移植を行い, 妊娠19.5日目における産仔への発生数と総着床数を計数した. In vitro rKSOMaa区では総着床数が多いにもかかわらず, In vivo区よりも産仔への発生数が低かった. In vitro rMW区は産仔率, 総着床率共に低かった(p<0.05). 体重および臓器重量の比較した結果, 出生後52週ではIn vitro rKSOMaa区で体重が重く, メスでは内臓以外の重量がオスでは内臓重量が多かった. インプリント遺伝子と分化マーカー遺伝子の発現解析では, In vitro rKSOMaa区ではIn vivo区に対して, インプリント遺伝子であるH19の発現は低かったが, 一方, 栄養外胚葉の分化マーカーであるCdxと未分化細胞マーカーであるNanogは有意に高い値を示した. 【考察】マウス初期胚は体外培養を行うと, 母体内培養を行ったものと比較し, 胚の形態, 発生時期並びに細胞数に差を生じ, 産仔率の低下と成熟後の体重の増加という個体への発生に大きく影響を受ける事が示された. また, 体外培養下で胚盤胞期におけるインプリント遺伝子の発現低下が確認された. このことは体外培養によりインプリント遺伝子のメチル化状態がリセットされていない部分があることを示唆している. 【結論】体外培養胚は, 母体内発生胚に比べて胚盤胞期胚へ高効率で早く発生するが, インプリント遺伝子および分化マーカー遺伝子の発現に変化が見られ, 産仔率に差があった. また, 体外培養胚由来の個体は, 自然交配由来の個体に比べ, 成熟期の体重・臓器重量が増加していた. 本研究により, 自然交配と同等の動物生産に向けて体外培養を最適化する指標が明らかとなった.}, pages = {635--646}, title = {初期胚の体外培養がマウスの個体発生に及ぼす影響}, volume = {128}, year = {2014} }