@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00008775, author = {須藤, 翔 and 亀山, 仁史 and 中野, 雅人 and 島田, 能史 and 野上, 仁 and 若井, 俊文}, issue = {1}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Jan}, note = {【目的】虚血性小腸炎は, 動脈硬化などを背景とした血流障害により, 小腸に虚血性病変が発生する疾患の総称である. 虚血性病変の治癒過程で瘢痕狭窄をきたす場合があり, 外科的治療の対象となる. 今回我々は, 単孔式腹腔鏡補助下手術を施行し, 良好な経過をたどった狭窄型虚血性小腸炎の1例を経験したので報告する. 【症例】患者は60歳, 男性, 高血圧, 脂質異常症の既往を有していた. 腹痛を自覚し当院を受診し, 腹部CT検査および小腸内視鏡検査の所見から虚血性小腸炎と診断された. 保存的治療により症状は軽快したが, 約1か月後に再度腹痛を自覚した. 腸閉塞と診断され, 経鼻イレウス管による腸管減圧が行われた. イレウス管造影検査では, 回腸に約10cm長の狭窄像を指摘された. 虚血性小腸炎による瘢痕狭窄であり, 保存的治療による改善は困難と考えられ, 単孔式腹腔鏡補助下手術が施行された. 臍を3cm切開し, ラッププロテクターミニタイプ, E・Zアクセスを装着した. 鉗子2本を用いて, 小腸全体を手繰るように観察した. 回腸終末部より約80cm口側の回腸に, 発赤と壁の硬化を認めた. 同部が狭窄部位であると判断し, 回腸を約18cm部分切除した. 病理組織学的検査では, 特異性炎症や悪性所見は認められず, 虚血性変化として矛盾の無い所見が認められた. 術後経過は良好で, 術後12病日目に退院した. 【考察】虚血性腸炎は左側結腸に好発し, 小腸病変の発生頻度は比較的低いと報告されている. しかし, 虚血性小腸炎は狭窄による腸閉塞をきたしやすいため, 外科的治療を要する割合が高い. 小腸は後腹膜や他臓器に固定されておらず, 体腔外への導出が容易であることなどから, 一般的に小腸疾患は腹腔鏡下手術の良い適応とされている. しかし, 腸閉塞をきたしやすい本疾患に対して, 腹腔鏡下手術が施行された症例の報告は少ない. 本症例では, 術前にイレウス管を留置し腸管の減圧が得られたこと, 小腸内視鏡検査やイレウス管造影検査により, 病変の局在や範囲を把握できていたことなどから, 腹腔鏡下手術が施行可能であると判断した. より整容性に優れた術式として単孔式腹腔鏡補助下手術を選択し, 安全に施行し得た. 【結論】狭窄型虚血性小腸炎は腸閉塞を呈することが多いが, イレウス管により腸管減圧が得られ, 術前に病変の局在や範囲が確認された状態であれば, 単孔式腹腔鏡補助下手術は安全に施行可能である.}, pages = {38--44}, title = {単孔式腹腔鏡補助下に切除した狭窄型虚血性小腸炎の1例}, volume = {129}, year = {2015} }