@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00008758, author = {牧野, 成人 and 若井, 俊文}, issue = {2}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Feb}, note = {【諸言】表在型食道癌の中で, 壁深達度が粘膜上皮(m1)もしくは粘膜固有層までの病変(m2)に対しては内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が施行されている. 一方, ESD後の病理組織学的診断で粘膜下層(sm)への浸潤を認めた症例は, リンパ節転移率が高いために外科切除や放射線治療などの追加治療の適応とされている. しかしながら, 壁深達度m3の症例やsm浸潤がわずかな症例ではリンパ節転移を認めないとする報告もあり, 追加治療の適応については議論の余地がある. 【目的】外科的に切除された表在型食道癌の病理組織学的所見を基盤として, 壁深達度別に脈管侵襲や微小転移を含めたリンパ節転移率を評価し, ESD後の追加治療の適応を明らかにすることである. 【対象と方法】1984年から2002年までに当科で食道切除を施行した表在型食道癌276例を対象とし, 腫瘍の壁深達度別に脈管侵襲を評価した. また276例のうち領域リンパ節郭清を施行した88例に対しては, 原発腫瘍の壁深達度別にリンパ節転移率を評価した. リンパ節転移の同定にはヘマトキシリン・エオジン(HE)染色と抗AE1/AE3モノクローナル抗体による免疫組織化学染色を用いた. 【結果】276例中151例の腫瘍は粘膜内に限局していた. 腫瘍の壁深達度がm1またはm2であった107例ではリンパ管侵襲や静脈侵襲を認めなかった. 壁深達度がm3の44例のうち4例(9.1%)にリンパ管侵襲を, 2例(4.5%)に静脈侵襲を認めた. 一方, 276例中125例の腫瘍はsmへ浸潤し, 69例(55.2%)にリンパ管侵襲を, 56例(44.8%)に静脈侵襲を認めた. 領域リンパ節郭清を施行された88例の評価では, 壁深達度m3の11例のうち1例(9.1%)に抗AE1/AE3抗体染色で微小リンパ節転移を認め, 同症例のリンパ管侵襲は陽性であった. sm浸潤を認めた67例中35例にHE染色でリンパ節転移を認め, HE染色で転移を認めなかった32例中6例に微小リンパ節転移を認めた. smを3等分し浅層からsm1, sm2, sm3と分類すると, 微小転移を含めたリンパ節転移率はそれぞれ54.5%, 52.6%, 67.6%であった. また, sm浸潤距離が200μm以下の6例のうち2例(33.3%)にリンパ節転移を認め, そのうち1例は微小転移であった. 【結語】表在型食道癌において, 壁深達度m1やm2の症例では脈管侵襲やリンパ節転移は認めず, ESD後の追加治療の適応ではない. 壁深達度m3でリンパ管侵襲を認める症例や, sm浸潤を認める症例はリンパ節転移率が高いため, 外科切除や放射線治療などの追加治療の適応である.}, pages = {51--58}, title = {微小転移を含めたリンパ節転移率を基盤とした表在型食道癌における内視鏡的粘膜下層剥離術後の追加治療の適応}, volume = {129}, year = {2015} }