@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00008712, author = {森本, 悠太 and 若井, 俊文}, issue = {5}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {May}, note = {【緒言】Vimentin は間葉系細胞に特有な中間径フィラメントである. Vimentin は細胞表面から核への機械的形質導入, 細胞間接着や細胞分裂などの細胞周期に関係している. すでに Vimentin 発現陽性は乳腺, 結腸の悪性腫瘍において腫瘍細胞の転移と浸潤を促進すると報告されている. 上皮細胞の転移/浸潤能獲得に間葉系の特徴の獲得と上皮系の特徴の消失が関連するという概念を支持する根拠が示されつつあり, この現象は Epithelial-Mesenchymal Transition (上皮間葉移行; EMT) と呼ばれている. 腫瘍細胞における Vimentin 発現陽性はEMTの存在を示唆し, 肺癌, 腎癌, 胃癌では Vimentin 発現陽性が独立した予後予測因子であるといわれている. 本研究の目的は, 肝内胆管癌切除標本における Vimentin 発現を後方視的に評価・分析し, 肝内胆管癌における Vimentin 発現が切除後の遠隔成績に与える影響を明らかにすることである. 【材料と方法】1992年1月から2012年12月までに新潟大学医歯学総合病院で切除を施行された連続する44例を対象とした. 1例は扁平上皮癌であったため除外した. 残りの43例は男性30例, 女性13例で, 年齢の中央値は67歳(31-82歳)であった. 年齢, 性別, Cytokeratin 7 発現, 深達度, リンパ節転移, 遠隔転移, 最終病期, 最大腫瘍径, 組織学的グレード, 腫瘍遺残, 術前補助化学療法, 術後補助化学療法の12項目について Vimentin 発現陽性と関連する因子を検討した. 【結果】11例が Vimentin 発現陽性であり, 32例が Vimentin 発現陰性であった. Vimentin 発現陽性は組織学的グレードとのみ有意な関連を認めた(P=0.043). Vimentin 発現陽性例は組織学的グレード1(高分化型; G1)には認めず(0/10; 0%), 組織学的グレード2, 3(中低分化型: G2-3)にのみ認められた(11/33; 33%). 全累積生存率は5年で43.8%であり, 生存期間の中央値は22か月であった. 単変量解析では, 遠隔転移(P=0.001), リンパ節転移(P=0.002), 腫瘍遺残(P=0.014), Vimentin 発現(P=0.016), 最大腫瘍径(P=0.022), T因子(P=0.038)が有意に術後長期生存と関連していた. Vimentin 発現陰性群の5年累積生存率33.4%(生存期間中央値65.6か月)と比較して, Vimentin 発現陽性群の5年累積生存率は12.5%(生存期間中央値14.2か月)であり, Vimentin 発現陽性群の術後遠隔成績は有意に不良であった(P=0.016). 【結語】肝内胆管癌における Vimentin 発現は, 組織学的グレードと関連し, 切除後の予後不良因子である.}, pages = {235--244}, title = {肝内胆管癌における Vimentin の発現と術後遠隔成績}, volume = {129}, year = {2015} }