@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00008680, author = {山崎, 和久 and 本田, 朋之}, issue = {7}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Jul}, note = {歯周病は口腔内の細菌性プラークによる感染症であるが, 組織破壊は歯周組織の慢性炎症によって引き起こされることから, 免疫応答や全身疾患などの全身的な因子, 喫煙などの環境因子により発症や進行が影響を受ける. 様々なリスク因子の中でも糖尿病はもっともよく知られている. また, 糖尿病患者では歯周病の罹患率・重症度が高いことから, 糖尿病第6の合併症とされている. 一方, 多くの疫学調査から歯周病が糖尿病, 心筋梗塞・狭心症などの心血管系疾患や虚血性脳血管疾患, 肥満, 非アルコール性脂肪肝疾患, がんなどのリスク因子となることが示唆されている. 炎症歯肉より全身循環に侵入した歯周病原細菌や炎症メディエーターが遠隔組織において炎症を誘発することがその因果関係と考えられているが, エビデンスは十分ではない. 我々は, 代表的な歯周病原細菌であるPorphyromonas gingivalisをマウス口腔内から継続投与すると血中炎症マーカーの上昇や脂肪組織, 肝臓において炎症性の変化が誘導されることを見いだした. しかし血中からは投与した細菌は検出されず, 歯肉の炎症もきわめて軽微であった. さらに, これら全身的な炎症が腸内細菌叢の変化と腸管バリア機能の低下による菌血症が原因と考えられるデータを得た. 歯周病が関連する疾患のほとんどが腸内細菌のdysbiosisとも関連することが報告されている. 以上より, 我々は歯周病など口腔内のdysbiosisが起こっている場合, 飲み込まれた口腔細菌により腸内細菌叢が変化して肥満などで見られる代謝性菌血症と似た状況が作り出される結果, 全身的かつ軽微な炎症が誘導され様々な疾患リスクを高めるのではないかと推察している.}, pages = {364--367}, title = {5 糖尿病 : 歯周病連関における新たなメカニズム(シンポジウム「糖尿病の合併症, 第699回新潟医学会)}, volume = {129}, year = {2015} }