@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00008548, author = {手塚, 敏之 and 西澤, 正豊}, issue = {10}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Oct}, note = {アルツハイマー病(Alzheimer's disease: AD)は認知症の最大の原因疾患である. ADの主要な病理変化の1つはアミロイドβ(Amyloid-β: Aβ)の蓄積である. 後天的環境因子がAD発症のリスクになることが数多くの疫学研究により報告されている. 住民コホート研究である久山町研究によると, 糖尿病によるAD発症のリスクは約2倍である. 本研究は, 糖尿病がAD発症のリスクになる分子機序を明らかにすることを目的に, 高グルコース状態がAβおよびアミロイド前駆体タンパク(Amyloid precursor protein: APP)に及ぼす影響について, 神経系培養細胞を用いて検討した. マウス神経芽腫細胞であるN2a細胞と, Sweden型変異を導入したAPPを安定発現するN2a細胞(N2a APP-swe細胞)を用い, グルコース濃度50~400mg/dLを含む培養液で24時間培養し, 細胞ライセイトと培養上清を回収した. それぞれをポリアクリルアミドゲル電気泳動で分離後, ウェスタンプロット解析によりAPP-FL (full length: 全長型), APP-CTF (C-terminal fragment: C末端断片), および分泌Aβを検出した. N2a APP-swe細胞では, グルコース50mg/dL条件下と比較して, APP-FL/actinは200, 400mg/dL条件下で有意に増加した. 一方, APP-CTF/FLは200, 400mg/dL条件下で有意に減少した. Aβ/APP-FLは100, 200, 400mg/dL条件下で有意に増加した. 内在性APPを発現するN2a細胞においてもほぼ同様の結果が得られた. これらの結果より, 高グルコース状態において神経細胞ではAβの産生亢進が生じることが示された. 高グルコース状態でAβが増加する機序として, APP切断酵素活性がグルコースにより調整され, Aβ産生を誘導しているのかもしれない. それ以外にも, APP-FLの産生増加やAβ分解遅延がAβ増加の一因になっている可能性もある. 高グルコース状態がAβ蓄積を促進させるのであれば, 高グルコース状態を抑制することでAD病態を改善させる可能性がある. したがって, 高血糖を抑制する糖尿病治療薬は, AD治療薬として応用できる可能性がある. PPAR^γ作動薬やインクレチン関連薬はADモデルマウスにおいてAβ蓄積を軽減する効果が報告されており, 本研究で示されたグルコースを介したAβの産生抑制がその分子基盤となっている可能性がある.}, pages = {563--571}, title = {高グルコース状態がアルツハイマー病関連アミロイドβ産生に及ぼす影響}, volume = {129}, year = {2015} }