@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00008520, author = {八木, 寛 and 若井, 俊文}, issue = {1}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Jan}, note = {【緒言】卵巣癌では術後の残存腫瘍径が予後と関連するとされていることから, 完全摘出不能症例においては最大限の腫瘍減量手術を行うことが標準治療とされている. 進行卵巣癌は, 原発巣や腹膜播種による消化管浸潤を伴うことがあり, 腫瘍減量手術を行う際に消化管合併切除を必要とする場合がある. 特に直腸は, 卵巣癌の直接浸潤や腹膜播種による浸潤のため, 合併切除が必要とされることがある. しかし, 卵巣癌の直腸浸潤に対する直腸切除術式として, 浸潤部を含む直腸の部分切除のみで十分であるのか, または直腸の所属リンパ節郭清を伴う直腸切除術が必要なのかは明らかではない. 本研究の目的は, 卵巣癌の直腸浸潤部におけるリンパ管侵襲を病理組織学的に解析し, 卵巣癌の直腸浸潤に対して直腸の所属リンパ節郭清が必要であるか否かを明らかにすることである. 【方法】2004年1月から2014年1月の間に, 原発性卵巣癌の直腸浸潤に対して直腸切除術が施行された23例を対象とした. 卵巣癌が最も深く直腸に浸潤している部位をHE染色で観察し, 卵巣癌の直腸浸潤部における直腸壁内のリンパ管侵襲の有無を診断した. HE染色でリンパ管侵襲陽性と診断された症例は, D2-40免疫組織化学を追加してリンパ管侵襲の有無について確認を行った. また, 卵巣癌の直腸浸潤部における浸潤の最深部を"浸潤度"と定義し, 浸潤度が漿膜下層から固有筋層までにとどまる群(SS-MP群)と粘膜下層に及ぶ群(SM群)の2群に分類し, 両群の臨床病理学的特徴を比較した. 【結果】対象23例の年齢中央値は66歳(範囲:45-84歳)であった. 臨床病期はStage III, Stage IVの進行卵巣癌が多く, 直腸切除術式は低位前方切除術が最も多く施行されていた. 卵巣癌の組織型は漿液性腺癌が最も多く, 直腸への浸潤度は漿膜下層が13例と最も多かった. 対象23例中, SS-MP群は18例, SM群は5例であった. 両群の臨床病理学的特徴を比較すると, SM群では消化管吻合を伴わないHartmann手術が有意に多く行われていた(P=0.030). 直腸壁内のリンパ管侵襲を評価すると, SS-MP群ではリンパ管侵襲は認められなかったが, SM群では5例全例にリンパ管侵襲を認めた(P<0.001). 【結論】卵巣癌の直腸浸潤では, 卵巣癌による直腸壁内のリンパ管侵襲が起こり得る. したがって, 卵巣癌の直腸浸潤に対して直腸切除術を行う際には, 直腸の部分切除のみではなく, 直腸の所属リンパ節郭清を併せて行うことで, 卵巣癌の腫瘍減量に寄与する可能性がある.}, pages = {60--67}, title = {卵巣癌の直腸浸潤に対する直腸切除術の検討}, volume = {130}, year = {2016} }