@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00008482, author = {島田, 能史 and 永橋, 昌幸 and 市川, 寛 and 亀山, 仁史 and 坂田, 純 and 小林, 隆 and 若井, 俊文 and 奥田, 修二郎 and 井筒, 浩 and 兒玉, 啓輔 and 中田, 光隆}, issue = {3}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Mar}, note = {【緒言】 次世代シーケンサーによってがん薬物療法の効果を予測するdriver mutationを網羅的に解析することが可能となり, がん薬物療法は個別化治療の時代に入りつつある. 最大で数百程度までのがん関連遺伝子変異を対象にしたtarget sequencingでは日常臨床で普及しているホルマリン固定パラフィン包埋(Formalin-fixed paraffin-embedded : FFPE)サンプルを利用することができる. FFPEサンプル作製に際しては, DNAの質と量の確保が重要である. FFPEサンプルでは, ホルマリン固定によるDNAの断片化が生じるため, 各医療施設での病理標本固定条件がDNAの質に影響する. 一方, 生検材料などの微小検体においても, 次世代シーケンサーによる遺伝子変異解析に耐えうるDNAの量が確保できるか否かは臨床上の重要な問題である. 本研究の目的は, 次世代シーケンサーによる遺伝子変異解析のためのFFPEサンプル作製方法を確立すること, および微小検体からのDNA抽出方法を明らかにすることである. また, 実際にFFPEサンプルを用いて次世代シーケンサーによる癌の遺伝子変異解析が可能であることを明らかにすることである. 【方法】 1) 過去に作製された10%酸性ホルマリン固定FFPEサンプルを用いて, 次世代シーケンサーによる遺伝子変異解析が可能か否かを検討した. 2) FFPEサンプル作製時のホルマリン固定法を標準化するために, ホルマリン種類および固定時間の条件を変えてFFPEサンプルを作製し, DNA濃度とDNAの断片化を評価した. 3) 次世代シーケンサーによる遺伝子変異解析に必要な最低限のサンプルサイズを決定するために, 組織採取面積の条件を変えてDNAを抽出し, それぞれのDNA濃度を測定した. 4) 生検材料を用いて次世代シーケンサーによる遺伝子変異解析が可能か否かを明らかにするために, 生検材料からDNAを抽出し, DNA濃度を測定した. 5) 次世代シーケンサーによる固形癌の遺伝子変異解析ツール(CancerPlex"【○!R】"にて, 大腸癌外科切除100症例の10%中性緩衝ホルマリン固定FFPEサンプルを使用し, 415の重要な癌の遺伝子変異を解析した. そして, 1症例あたりの遺伝子変異数, および変異の頻度が高い遺伝子を求めた., 【結果】 1) 過去に作製された10%酸性ホルマリン固定FFPEでは, DNAの断片化が高度であり, 次世代シーケンサーによる遺伝子変異解析を行うことができなかった. 2) 固定液の種類に関わらず, ホルマリン固定時間が経過するとDNAの断片化が進行した. しかし, 10%中性緩衝ホルマリンでは, 10%酸性ホルマリンと比較してDNAの断片化が起こりにくかった. 3) 20μm未染プレパラート1枚から3×3mmの組織採取を行うことで最低限のDNA濃度を確保できた. 4) 生検材料においても20μm未染プレパラート1枚から組織採取を行うことで最低限のDNA濃度を確保できた. 5) 大腸癌100症例で全例に有意な癌の遺伝子変異が検出され, 1症例あたりの遺伝子変異数は中央値10(範囲 : 2-49)であった. 大腸癌100例全体で247種類の癌の遺伝子変異が検出可能であった. 【結論】 次世代シーケンサーによる遺伝子変異解析において理想的なFFPEサンプルを作製するためには, 10%中性緩衝ホルマリンを使用し, 固定時間は24時間程度として必要最低限とすることが肝要である. また, 生検材料などの微小な検体からも次世代シーケンサーによる遺伝子変異解析が可能であることから, この技術の適応範囲は広く, より多くの患者に適切ながん薬物療法の提案ができるものと期待される.}, pages = {191--202}, title = {次世代シーケンサーによる遺伝子変異解析におけるホルマリン固定パラフィン包埋サンプル作製方法および微小検体からのDNA抽出に関する検討}, volume = {130}, year = {2016} }