@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00008436, author = {岡田, 正康 and 藤井, 幸彦}, issue = {7}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Jul}, note = {【目的】中枢神経系が抹消神経系に比べ軸索の伸長能力が低い要因の一つとして43-kDa growth associated protein (GAP-43)の発現レベルに違いがあるとされる. しかし明確なGAP-43の機能は不明であった.五十嵐らは,神経成長における成長円錐のタンパク質のリン酸化に着目し, このGAP-43の96番目のセリン(Ser96)にリン酸化が高頻度に生じることを同定した.そこで本研究は,GAP-43 (Ser96)のリン酸化を特異的に認識する抗体(抗pSer96抗体)を作製し,げっ歯類の末梢神経再生モデルの軸索再生に対するGAP-43 (Ser96)のリン酸化の関与を検証した.【方法】作製した抗pSer96抗体による免疫染色で,げっ歯類の胎仔発生期の軸索伸長と成体の抹消神経再生モデル(坐骨神経圧挫損傷実験)の軸索再生についてGAP-43のリン酸化の有無を検証した. 圧挫損傷実験の試料をもとに抗pSer96抗体染色によるウエスタンブロットや,抗体を用いない質量分析で生化学的な解析を行った.抗pSer96抗体による再生軸索の組織定量評価にShin J.E.ら(Neuron74,2012)が使用した「坐骨神経の長軸切片の蛍光像の輝度値解析から軸索伸長を計測するRegeneration Index」を用いた.【結果】胎仔大脳皮質由来の初代培養神経細胞の染色や胎仔脳の組織染色の結果,発生期の軸索においてGAP-43 (Ser96)はリン酸化され, 一方座骨神経の再生組織において軸索上に抗pSer96抗体陽性所見を認め,非損傷神経では反応しないことから,軸索再生においてもGAP-43 (Ser96)がリン酸化されることを確認した. この結果の裏付けとして行ったウエスタンプロットでは, 抗pSer96抗体反応は, 損傷後経時的に発現上昇し, さらに質量分析で損傷側(3日目)にのみGAP-43 (Ser96)のリン酸化を確認できたことから,GAP-43 (Ser96)が軸索再生時にリン酸化される部位であると証明できた.抗pSer96抗体を用いて再生を組織学的に定量評価すると,感覚神経系の軸索再生マーカーである抗SCG10抗体と同様に再生を評価できた.【結論】軸索再生時にGAP-43 (Ser96)はリン酸化され,作製した抗pSer96抗体は,定量性に優れる再生マーカーである.}, pages = {405--419}, title = {軸索再生に対するGAP-43の機能解明 : GAP-43 (Ser96)のリン酸化は軸索再生の分子マーカーとなる}, volume = {130}, year = {2016} }