@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00008435, author = {塚本, 佳広 and 藤井, 幸彦}, issue = {7}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Jul}, note = {【はじめに】Temozolomide (TMZ)治療中に再発したGlioblastoma (GBM)は,TMZへの耐性を獲得していると思われる.現在までに様々なTMZ耐性機序が報告されているが,臨床応用には至っていない.我々は, human GBM-initiating cells (GICs)からTMZ耐性GIC細胞(GICR)を樹立し,薬剤ライブラリスクリーニングによりGICRに有効な新規治療候補薬の同定を試みた.その結果,GICRの増殖に強い抑制効果を示す化合物, 1- (3-C-ethynyl-βーD-ribopentofuranosyl uracil (EUrd)を同定し,その分子機序を解析したので報告する.【材料と方法】TMZ含有培地でGICを培養してGICRを樹立した.北海道大学薬学研究院所有の1,342種の化合物を用いて,GICRに増殖抑制/細胞死誘導効果を示す薬剤群を同定する薬剤スクリーニングを行った.GBMに対して未検討のEUrdの作用機序を解析した.更に,GICRをNOD/SCIDマウスの皮下に移植した担がんマウスモデルを用いて,EUrdの治療効果を検討した. またEUrdの代謝に関わると思われるリン酸化酵素と脱リン酸化酵素のノックアウト株と強制発現株を作製し,その分子機構を検討した.【結果】化合物スクリーニングによりGICRに増殖抑制/細胞死誘導効果を持つEUrdを同定した.EUrdは,U87MG等のGBM細胞株に対しても増殖抑制/細胞死誘導効果を示すことを確認した.その作用機序は核酸合成阻害であり,Eurd存在下でGICRはG0/G1期にcell cycle arrestする.更に, 担がんマウスモデルでもEUrdは腫瘍増殖抑制効果を認めた.またEUrdはuridine-cytidine kinase-like1 (UCKL1) と5'-nucleotide cytosolic Ⅲ (NT5C3)によってリン酸化の制御を受ける可能性が示された.【考察と結論】我々は,GICRに対する薬剤スクリーニングを遂行し,GICRに増殖阻害を引き起こす化合物EUrdを同定した.EUrdは,GBM以外の悪性腫瘍に対して抗腫瘍効果が報告されているが,未だ臨床応用されていない化合物である.今後, TMZ維持療法中の再発性GBMに対する新規治療薬として臨床応用が期待される.}, pages = {391--404}, title = {薬剤スクリーニングから同定されたテモゾロミド耐性膠芽腫細胞増殖抑制薬,EUrdの解析と臨床応用への基礎研究}, volume = {130}, year = {2016} }