@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00008420, author = {佐藤, 征二郎 and 市川, 寛 and 島田, 能史 and 永橋, 昌幸 and 若井, 俊文 and 土田, 正則 and 井筒, 浩 and 兒玉, 啓輔 and 中田, 光隆}, issue = {10}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Oct}, note = {【緒言】近年,次世代シーケンス技術の開発が進み、高速シーケンサーを用いて, 微量DNAから短時間で多検体のシーケンスが可能となり,がんゲノムの網羅的解析から,がん個別化医療のバイオマーカーとして,ドライバー遺伝子変異の探索が盛んに行われるようになった.次世代シーケンサーを用いて多数の遺伝子異常を同時に検査するクリニカルシーケンスが期待されてきているが,その際に問題となるのは臨床検体の取り扱いである.従って, 本研究の目的は,次世代シーケンサーを用いた網羅的遺伝子解析を想定した際の, 肺腺癌組織より抽出したDNA量や質を組織亜型,分化度の違いから検討し、また、実際に必要とされる臨床検体(FFPEスラ\nイド)量を考察することとした.【方法】肺癌手術を施行され,凍結切片を有する肺腺癌68症例のホルマリン固定後パラフィン包哩(FFPE)検体をHE染色にて評価し,腫瘍胞巣に含まれる全細胞含有面積に占めるがん細胞含有率20%以上の63例を解析対象とした. 組織亜型の内訳は,置換性増殖優位型腺癌\n(lepidic)が5例,乳頭状増殖優位型腺癌(papillary)が44例,腺房状増殖優位型肺癌(acinar)が5例,充実性増殖優位型腺癌(solid)が2例,粘液腺癌(mucinous)が7例であった.各FFPEブロックから連続切片20μm, 2枚よりDNAを抽出した.単位面積当たりのDNA抽出濃度や断片化(Q-ratio : [129bp]/[41bp])について組織亜型間で比較し,また,解析に必要とされる臨床検体量 (腫瘍面積)を考察した.【結果】単位面積当たりのDNA抽出濃度は中央値4.20ng/μL(範囲:0.32ng/μL/mm^2 - 19.25ng/μL/mm^2)であった.Q-ratioについては中央値1.03 (範囲 : 0.79-1.57) とすべて基準値以上であった.組織亜型間においては抽出されたDNAの単位面積当たりの濃度では置換性増殖優位型腺癌は粘液腺癌と比較し, 単位面積当たりのDNA抽出濃度が有意に多かった(p=0.046).粘液非産生型腺癌は有意に粘液産生型腺癌より単位面積当たりのDNA抽出量は多かった(p<0.01).また,分化度間の単位面積当たりのDNA抽出量では中・低分化腺癌は有意に高分化腺癌より単位面積当たりのDNA抽出量は多かった(p=0.012).腫瘍面積とDNA抽出量につきPearsonの相関係散を算出すると, r=0.486, p<0.01と有意に正の相関を認めた.必要最低腫瘍面積の算出では30mm^2当たりのDNA抽出量は、平均29.0±23.4\nngl/μL(範囲 : 3.86ng/μL-116.5ng/μL)であり,全症例において基準となる3.75ng/μLをクリアーした.【結語】肺腺癌では,粘液産生の有無,分化度がDNA抽出量に影響を与えることが分かった.腫瘍胞巣面積,瘢痕巣の割合から全細胞面積を算出しそこに含まれるがん細胞含有率(>20%)を確認し,必要最低全細胞面積をクリアー出来る切片枚数を確保することが肝要であると思われる.}, pages = {601--611}, title = {ホルマリン固定後パラフィン包埋肺腺癌検体からのDNA抽出濃度について:次世代シーケンサーによる網羅的遺伝子解析のために}, volume = {130}, year = {2016} }