@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00008345, author = {原, 範和}, issue = {2}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Feb}, note = {マイクロRNAは,血清や血漿といった体液中においても比較的安定した状態で存在しており定量測定が可能である.そのためマイクロRNAは,アルツハイマー病(Alzheimer’s disease:AD)に代表される神経変性疾患の血液バイオマーカーの候補として期待されている.本研究は,ADの診断や病態を反映する血液バイオマーカーを同定することを目的に,神経病理学的に診断されたAD患者27名および対照者18名(病理サンプルセット)から死亡前2週間以内に採取された血清を用い,マイクロRNA量を次世代シークエンサーにより網羅的に解析した.その結果,3つのマイクロRNA(hsa-miR-501-3p,hsa-let-7f-5p,hsa-miR-26b-5p)がAD群と対照群との間で有意に変動した.このうちhsa-miR-501-3pは,臨床的に診断されたAD患者36名および認知機能正常者22名で構成される臨床サンプルセットにおいても,血清中で有意に変動していることが定量PCR解析により示された(感度53%,特異度100%,areaunder the curve=0.82).血清中のhsa-miR-501-3p量はAD患者群で減少しており,その減少は認知機能評価の指標であるMini-Mental State Examination scoreの低下と有意に相関していた.さらにhsa-miR-501-3pは,血清中の減少とは反対に,脳内では著しく増加していることが同じ被験者の剖検脳サンプルを解析することによって明らかにされた.このAD脳におけるhsa-miR-501-3p増加の遺伝子発現への影響を調べるため,培養細胞SH-SY5Yにhsa-miR-501-3pを過剰発現させたところ,128個の遺伝子の発現量が有意に減少した.これらの変動した遺伝子はDNA複製や細胞周期といった生体内作用に関連していた. hsa-miR-501-3pは,AD脳での病変の進行を反映する新規の血液バイオマーカーであることが示唆され,今後の実臨床の場での実用化が期待される.}, pages = {87--103}, title = {アルツハイマー病・病理ステージの進行に関連して変動する血液マイクロRNAの同定}, volume = {131}, year = {2017} }