@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00008298, author = {佐藤, 聡史}, issue = {4}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Apr}, note = {胃癌の約1割はEpstein-Barr virus (以下 EBV) が潜伏感染しているEBV関連胃癌である. 本研究では胃癌症例252症例265病変 (早期胃癌189病変, 進行胃癌76病変) をin situ hybridization (以下ISH) で検索し, EBER1陽性20病変 (7.55%) を検出してEBV関連胃癌とEBV非関連胃癌を臨床病理学的に比較し, さらに粘液形質とHepatocyte nuclear factor-4α (以下 HNF4α) の発現を検討した. EBV関連胃癌の年齢 (65.9±8.6歳) はEBV非関連胃癌 (71.0±9.7歳) と有意差はなく, 男女比はEBV関連胃癌 (男17例/女2例) , EBV非関連胃癌 (男159例/女74例) と, EBV関連胃癌は男性により多かった. 発生部位はEBV関連胃癌が上部, 次いで中部に多いのに対し, EBV非関連胃癌では中部に最も多く, 下部, 上部の順であった. 残胃癌はEBV関連胃癌10.0% (2/20) , EBV非関連胃癌3.3% (8/245) と, EBV関連胃癌に多かった. その他, 腫瘍径と深達度, 脈管侵襲は両者に有意差を認めなかった. 組織型を見ると, EBV関連胃癌では中分化管状腺癌 (tub2) , 充実型低分化腺癌 (por1) が多く, EBV非関連胃癌では高分化管状腺癌 (tub1) が多く, 中分化管状腺癌 (tub2) がそれに次いだ. これらの結果はこれまでの報告とほぼ一致した. EBV関連胃癌とEBV非関連胃癌における粘液形質発現タイプを分類すると, EBV関連胃癌ではNull type 5病変 (25.0%) , Gastric type 14病変 (70.0%) , Intestinal type 0病変 (0%) , Mixed type 1病変 (5.0%) であり, Null typeとGastric typeで全体の95.0%を占めた. 一方, EBV非関連胃癌ではNull type 4病変 (8.9%) , Gastric type 18病変 (40.0%) , Intestinal type 11病変 (24.4%) , Mixed type 12病変 (26.7%) であり, EBV関連胃癌ではEBV非関連胃癌に比べてNull type+Gastric typeが有意に多かった. HNF4αのP1およびP2アイソフォーム (以下P1-, P2-HNF4α) の発現をみると, EBV関連胃癌ではP1-HNF4αは20.0%, EBV非関連胃癌では51.1%が陽性で, EBV関連胃癌では有意にP1-HNF4αの発現頻度が低下していた. 一方, P2-HNF4αはEBV関連胃癌, EBV非関連胃癌ともに全例で陽性となった. 以上の成績から, EBV関連胃癌のP1-HNF4αの発現低下がNull typeとGastric typeの粘液形質に関与する可能性が考慮された. EBV関連胃癌ではウィルスは環状DNAであるため, ウィルス粒子の形態を示さない. EBV関連胃癌やEBV潜伏感染胃癌細胞株ではBamHIW, LMP2, EBNA1が恒常的に発現し, EBER1-ISHで核全体が染色されたが, 微小な胃粘膜内癌2病変では核の一部にのみ核小体様のdot状陽性像を呈した. この2病変のPCRではBamHIWとLMP2の発現の低下が見られた. 以上より微小胃粘膜内癌に見られたdot状染色像はEBV潜伏感染の初期像である可能性が示唆された.}, pages = {213--226}, title = {Epstein-Barr virus関連胃癌における粘液形質とHepatocyte nuclear factor-4αの発現および初期病変に関する研究}, volume = {131}, year = {2017} }