@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00008275, author = {八神, 錬}, issue = {5}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {May}, note = {【序文】近年, テストネガティブ症例対照法でインフルエンザの発症予防効果(ワクチン効果, VE)を評価することが一般的になっている. 我々は, 様々なインフルエンザ検出法を用いて, 2015-2016年に新規に導入された4価ワクチンのVEを検討した. 【方法】2015-2016年に5道府県7医療機関を受診したインフルエンザ様疾患778名を対象とし, 1)迅速診断キット, 2)リアルタイムPCR, 3)ウイルス分離培養の3種それぞれの陽性者を「症例」, 陰性例を「対照」とし, 各群のワクチン接種割合からオッズ比を算出し, 【1-オッズ比】×100をVE(%)とした. 単変量の他に, 多変量(年齢, 採取月, 場所を補正), 年齢層別, 13歳未満の接種回数別のVEを検討した. 3種の検査法の感度特異度を算出し, さらにワクチン株と流行株の遺伝子解析を行った. 【結果】A/H1N1pdm09 385名(49.5%), B山形115名(14.8%), Bビクトリア120名(15.4%), 陰性158名(20.3%)であった. インフルエンザ全例で, 3種類の検査共同様のVEを示し29.0~38.1%(補正後: 95%信頼区間: -2.0~57.0%)の発症抑止効果を示した. B型(B山形)は37.7~46.2%(補正後: 95%信頼区間: 9.5~65.5%)と有効であったが, A型(A/H1N1pdm09)は-12.0~4.3%, Bビクトリアは-1.0%と効果がなかった. 年齢別では, A型の0-2歳が61.8~70.5%, B型(B山形)の6-12歳が51.9~54.7%と比較的高かった他は, VEを認めなかった. 13歳未満の接種回数別検討では, 1回接種は人数が少なく比較できなかったが, 2回接種は全体の傾向と同様の結果を示した. 3種の検査は感度・特異度共に90%前後と高い一致率をみとめ, 今後, VEを迅速診断キットで評価でき得ると考えられた. A/H1N1pdm09のヘマグルチニン遺伝子のS162NとK163Q変異がVEの低下に繋がった可能性がある. B型には抗原性に影響するアミノ酸変異は認めず, BビクトリアでVEがなかった原因は不明である. 【結語】我々の調査では, 2015-2016年の日本の4価ワクチンは, B山形で30%のワクチン効果が見られたが, A/H1N1pdm09とBビクトリアでは効果がなかった.}, pages = {273--289}, title = {2015-2016年シーズンのテストネガティブ症例対照研究によるインフルエンザ4価不活化ワクチンの効果}, volume = {131}, year = {2017} }