@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00008263, author = {山崎, 哲}, issue = {6}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Jun}, note = {【緒言】2009年4月, 新型インフルエンザ (パンデミック (H1N1) 2009) が海外で発生し, 5月には国内で感染が始まった. 本稿では今後のパンデミック対応への教訓を含め, 2009-2010年の新潟市における流行を地域医療行政の立場から分析した. 【対象と方法】2009-2010年の新潟市, 新潟県, 全国のインフルエンザ定点当たり報告数の推移を調べ, 基準値を上回った時期や期間を過去10シーズンと比較し分析した. また, 医療対応の変遷, 保健所電話相談の件数と内容, 外来 ・入院患者の疫学情報, ワクチンの対象区分別の接種率を分析した. 【結果】2009年の流行入りは8月で, 過去10シーズン (平均1月, 12~2月) と季節がずれていた. 定点当たり報告数が1以上の週は34週間 (新型としては30週間) で, 過去10シーズン (平均15週間, 11~21週間) よりも多かった. 住民からの電話相談数の推移は2峰性で, 第1峰は関西での流行時, 第2峰は市内流行のピーク時だった. 外来患者は14歳以下が59.2%を占めていた. 人口当たりの受診率は全体で8.2%, 年齢階級別では5~9歳が最多で46.3%だった. 入院患者は246人で, 入院率は人口10万人当たり30.6人, 外来患者当たり0.37%だった. 入院患者の年齢は2か月~103歳 (中央値7歳) で, 68.7%が9歳以下だった. 基礎疾患がある入院患者 (入院患者全体の45.5%) の58.9%に喘息の既往があった. 入院患者の51.6%が酸素投与, 6.5%がICU管理, 2.0%が人工呼吸器管理を受けた. 入院患者の合併症は肺炎が101人 (全体の41.1%) で最も多く, 性, 年齢, 他の主な合併症を調整しても, 肺炎が無い患者より平均入院日数が4.55日長かった (95%CI : 1.37-7.73, p=0.005) . 脳症は6人 (3~13歳, 中央値8歳) , 死亡は2人 (肺炎の高齢者, 脳症・肺炎の幼児) だった. ワクチン接種率は全体で17.9%, 対象区分別では医療従事者が324.1%, 基礎疾患を有す者が78.1%, 妊婦が57.0%だった. 小児の接種率は低く, 高かった区分 (1歳~小学3年) でも31.4%だった. 【結論】死亡数は少なく, 重症化は事前に懸念されていた程ではなかったが, 小児を中心に多数の患者が発生し, 肺炎による入院が多く, 脳症も複数発生した. パンデミック対応では, 厳重な隔離策の初期対応から実際の臨床像に見合った対応に円滑に移行し, 病状に応じて必要な医療が受けられるよう, また, ワクチン接種の優先順位についての理解・協力が得られるよう, 行政は住民や医療関係者とのリスクコミュニケーションに努めることが重要だろう.}, pages = {333--349}, title = {新潟市における2009-2010年の新型インフルエンザ (パンデミック (H1N1) 2009) の流行について : 地域保健医療行政の立場からの分析と今後のパンデミック対応への教訓}, volume = {131}, year = {2017} }