@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00008262, author = {斎藤, 亮彦}, issue = {6}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Jun}, note = {メガリンは主に腎近位尿細管に発現するエンドサイトーシス受容体であり, 糸球体を濾過するタンパク質などの様々なリガンドの取り込み・代謝に関わっている. 私たちは, メガリンが, 細胞外領域の切断により, あるいは全長型として, 近位尿細管細胞から尿中に排出されることを明らかにした. それらの尿中メガリンは, 糖尿病性腎症, IgA腎症, 小児の腎瘢痕, あるいはシスプラチン腎症などの新たなバイオマーカーになる可能性がある. メガリンはまた, アミノ配糖体, バンコマイシン, コリスチン, シスプラチンなどの腎毒性薬剤を近位尿細管細胞に取り込むことによって急性腎障害 (AKI) を引き起こすことがわかってきた. 私たちは, ドラッグリポジショニングとして, シラスタチンがそれらの腎毒性薬剤とメガリンの結合に拮抗することにより腎毒性を軽減するという機序を明らかにした (「メガリン拮抗剤」) . さらに私たちは, メタボリックシンドローム型糖尿病モデルである高脂肪食負荷マウスにおいて, メガリンを介して脂肪酸高含有タンパク質などが近位尿細管細胞に取り込まれることが, 腎障害機序の引き金になることを明らかにした. したがって糖尿病性腎症のような慢性腎臓病 (CKD) の病態においては, メガリン機能を適切に抑制する薬物が有効である可能性がある. 経口抗酸化性炎症調節薬であるバルドキソロンメチルはそのような「メガリン抑制薬」の候補の一つである. 今後, AKIにおいてもCKDにおいても, メガリンが腎毒性物質を取り込む「入り口」分子であるという観点から, 尿中メガリンの動態をコンパニオン診断薬に応用しながら, メガリン拮抗 (阻害) 薬あるいはメガリン抑制薬を予防・治療に活かすという道を開拓したい (メガリン創薬) .}, pages = {328--331}, title = {3 メガリンを標的とした腎臓病の新しい診断 ・治療法の開発(シンポジウム 新潟大学におけるTranslational Researchの現状, 第718新潟医学会)}, volume = {131}, year = {2017} }