@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00008227, author = {中本, 千尋}, issue = {8}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Aug}, note = {デルタ型グルタミン酸受容体サブユニット(GluD1,GluD2)は,アミノ酸の相同性からイオン透過型グルタミン酸受容体に分類されてきたが,GluDサブユニットにはグルタミン酸結合能がなく,イオンチャネルとして通常機能しない.それゆえ,その生理機能は長い間不明であったが,近年シナプス接着因子として脳内で働くことが報告されたユニークな分子群である.2種のサブユニットは脳内において特徴的なパターンで発現しており,特にGluD2は小脳プルキンエ細胞に強く発現し,平行線維シナプスの形成と維持に必須であることが示されている.ヒトのゲノム解析や変異マウスから得られた知見より,GluDサブユニットが脳の高次機能に関与している可能性が示唆されるが,小脳以外の脳部位での各サブユニットの機能的重要性は明らかとなっていない.接着因子としての機能とタンパク質存在量は密接な関連があると考えられるため,キメラタンパク質を用いた定量的なウェスタンブロット法を用いて,脳内におけるGluD1とGluD2の存在量比を測定した.その結果,大脳皮質,海馬の各画分におけるGluDサブユニット量はGluA2の10%以下程度であった.また,小脳の各画分のGluD1はGluA2の7.6%-16.1%と大脳皮質や海馬と比べて大きく変わらないのに対し,GluD2はGluA2の127%-255%と突出して多かった.GluDサブユニット間の発現比は,小脳ではGluD2はGluD1の10-22倍と多いが,大脳皮質や海馬ではその差は1-2倍と小さかった.興味深いことに,大脳皮質や海馬ではGluD2がGluD1に匹敵するレベルで発現していることが明らかとなった.さらに,免疫沈降法によりそのサブユニット構成を調べた結果,大脳皮質や海馬ではGluD1とGluD2がヘテロメリックな構成でも存在していることが強く示唆された.}, pages = {476--490}, title = {マウス脳におけるデルタ型グルタミン酸受容体サブユニット構成の定量的解析}, volume = {131}, year = {2017} }