@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00008203, author = {角田, 知行 and 西村, 淳 and 北見, 智恵 and 川原, 聖佳子 and 牧野, 成人 and 河内, 保之 and 新國, 恵也}, issue = {9}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Sep}, note = {緊急手術における低侵襲治療としての腹腔鏡下手術の意義は高く,適応は急速に広がっている.大腸内視鏡後の医原性穿孔の場合,前処置により汚染が軽度に抑えられること,穿孔部の同定が容易であること,発症から診断に至る時間が短くバイタルサインも安定していることが多いなどの理由により腹腔鏡下手術の良い適応となり得る. しかし一方で,頻度として少ないために非定型的な手術となりやすく,定型手術にて十分に技術的な熟練を得ていること,慎重な適応半断を要すること,および合併症に対する十分な注意と対策が必要であることなどが指摘されている.今回我々は,横行結腸の医原性穿孔に対し腹腔鏡下に横行結腸部分切除術を施行後,ポートサイトヘルニアを発症した症例を経験した.症例は71歳の男性で,他院で大腸内視鏡検査を受けた際にポリープを6か所切除された.同日夜より腹痛が出現し徐々に増強したため,当院の救急外来を受診した.腹部・骨盤部CT検査で横行結腸左側に少量の腸管外ガス像を認めたが,穿孔部周囲に限局し,明らかな腹水は認めなかった.横行結腸穿孔による限局性腹膜炎と診断し,まずは保存治療を開始したが,翌日に腹部所見の悪化を認めたため緊急手術を行う方針とした.腹腔鏡下に横行結腸部分切除,ドレナージ術を施行したが,術後不穏となり,2日目にドレーンを自己抜去した.3日目より食事を開始したところ,5日目に嘔気と腹痛が出現した.腹部CT検査にてドレーン抜去部に一致して小腸が皮下に脱出した所見を認め,ポートサイトヘルニア嵌頓と診断した.緊急手術にて,ドレーン孔の筋膜を小切開すると,同部位をヘルニア門とするRichter型の小腸脱出を認めた.筋膜・腹膜を切開して絞扼を解除したところ,腸管の色調不良は徐々に改善したため腸切除は行わず,筋膜・腹膜の縫合閉鎖のみで手術を終了した.再手術後の経過は良好であり,7 日目に退院した.本症においては,緊急手術であり,かつ対象臓器が比絞的頻度の少ない横行結であったためポートの位置が非定型的となり,ドレーンを12mmポート孔から留置していたこと,また術後せん妄によりドレーンを自己抜去してしまったことがヘルニアのリスクを増加させていた可能性が示唆された.緊急時における服腔鏡下手術の適応は急速に拡大し,医原性大腸穿孔に対しても有用であると考えるが,時に予測しにくい合併症を起こすことがあり,発生予防と適切な対応が重要であると考えられた.}, pages = {544--550}, title = {医原性結腸穿孔に対する腹腔鏡下手術後にポートサイトヘルニアを発症した1例}, volume = {131}, year = {2017} }