@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00008201, author = {上原, 喜美子}, issue = {9}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Sep}, note = {Hyperglycemia and Adverse Pregnancy (HAPO) studyに基づくInternational Association of Diabetes and Pregnancy Study Groups (IADPSG) の診断基準改定によって,胎児高血糖の結果生じるlarge-for-gestational age (LGA) 発症が予防でき,周産期有害事象の発症予防につながると考えられている.これを受け,本邦では2010年7月,妊娠糖尿病 (gestational diabetes mellitus: GDM) 診断基準が改訂された.一方で,GDM母体への過度な介入により,small-for-gestational age (SGA) 発症率の増加が危惧される.これまでにGDM母体への介入と出生時の在胎期間別体格との関連を報告している論文はまれである.本研究の目的は,GDM母体から出生した児の在胎期間別体格に影響をおよぼす因子,およびGDMに対する介入の効果を検討することである.本研究は,2012年7月1日~2014年6月30日の2年間に出産した妊婦のうちGDMと診断された者を対象に,以下の介入を行った.①対象妊婦の産婦人科定期受診日と同日に糖尿病専門医を受診し,血糖コントロールを厳格に行った.また必要により,速やかにインスリン療法を導入した.②4週間ごとに,管理栄養士による食事指導を行った.③助産師と糖尿病領域担当看護師による生活指導を,産婦人科定期受診日,糖尿病専門医の受診日と同日に行った.この対象者の臨床像について診療録を後方視的に調査した.結果,対象期間に出産した妊婦803名,内,正常耐糖能妊婦 (normal glucose tolerance: NGT) 783名,GDM20名 (2.5%) であった.平均新生児出生体重はNGT群3,089.1±360.5g,GDM群3,062.2±363.4gであり,差を認めなかった (p=0.771).LGAはNGT群に63件 (8.0%),GDM群に2件 (10.0%) 認め (p=0.680),SGAはNGT群に64件 (8.2%),GDM群に2件 (10.0%) 認めた (p=0.676).LGA,SGAの頻度は2群間に差を認めなかった.GDM20名の診断時OGTT結果は,1点異常17名 (85.0%),2点異常3名 (15.0%) であった.OGTT負荷後2時間値異常は9名 (45.0%) であった.インスリン療法は3名 (15.0%) に導入した.GDM全体に4,000gを超える巨大児,分娩時損傷,新生児低血糖,NICU (neonatal intensivecare unit) 管理は発生しなかった.LGA発症母体,SGA発症母体ともに,妊娠前BMI (body mass index) は25.0kg/m2未満であったが,18.5kg/m2未満のやせ妊婦ではなかった.GDM母体からLGAはOGTT1点異常群に2件 (11.9%) 認め,SGAは2点異常群に2件 (66.7%) 認めた.OGTT負荷後2時間値異常群にはLGAは認めなかったが,SGAを2件 (22.2%) 認めた.インスリン療法導入3名のうち,LGAは認めなかったが,SGAを1件認めた.本研究では,妊娠中の良好な血糖コントロールを達成することにより,GDM母体におけるLGA,SGAの頻度は,NGT母体と同程度であった.適切な介入をすることにより,SGAの発症を増加させることなく,LGAの発症を抑制しうることが示唆された.}, pages = {521--530}, title = {妊娠糖尿病母体から出生した児の在胎期間別体格に影響をおよぼす因子の検討}, volume = {131}, year = {2017} }