@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00008127, author = {栗林, 祐子}, issue = {2}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Feb}, note = {【目的】小学校におけるインフルエンザの流行は,地域への感染伝播に大きく影響することが知られており,小学校の集団感染を防止することは地域の流行を防止する意味を持つ.小学校では,罹患者が増えた場合に学級閉鎖をして拡大防止を図っている.しかし,学級閉鎖の効果については議論があり,流行のピークを過ぎた後の閉鎖措置には効果がないとする先行研究もある.本研究では,新潟市の1小学校における4シーズンのインフルエンザ流行を後方視的に検討し,新潟県の基準である欠席率10%以上で学級閉鎖を実施した場合と基準より遅れて実施した場合で,どちらが欠席率を低下させるのに効果的であったかを検討した.【方法】2013/14~2016/17シーズン(4シーズン)の1~3月に新潟市内H小学校に在籍していた全児童延べ3,624人を対象とし(学級数33~35),期間中の毎日のインフルエンザによる欠席者数と学級閉鎖のデータを用いた.インフルエンザによる欠席者数には,医師にインフルエンザと診断され欠席した場合と,診断前にインフルエンザ様症状があり欠席した場合を含めた.インフルエンザによる欠席者が学級全体の10%未満で,学級閉鎖実施前日が10%以上であった場合を“適切な判断による学級閉鎖”と定義した. 4シーズンの週ごとのインフルエンザ罹患を示す疫学曲線を作成し, H小学校の流行と新潟市全体の流行の傾向を比較した.H小学校全体のインフルエンザによる欠席率をシーズン間で比較し, さらに, H小学校のインフルエンザ欠席率と新潟市内小学生全体の罹患率を各シーズンで比較した.4シーズン中に実施したインフルエンザによる学級閉鎖が適切なタイミングで実施されたかどうかを前述の基準で評価した.さらに,適切な判断による学級閉鎖と適切な判断でなかった学級閉鎖の2群間で,インフルエンザ総欠席率を比較した.【結果】2013/14~2016/17の4シーズンのインフルエンザによる欠席率は,それぞれ33.5%(欠席者305人/在籍911人), 23.7%(218人/921人), 32.7%(290人/887人),11.3%(102人/905人)であった. H小学校のシーズン間の欠席率は2016/17シーズンで他の3シーズンよりも有意に低かった(それぞれP<0.01).各シーズンにおけるH小学校の欠席率と新潟市内小学生全体の罹患率の比較では,2016/17ではH小学校の欠席率(11.3%)が新潟市の罹患率(20.8%) と比較して有意に低かった(P<0.01).4シーズンで学級閉鎖を23回実施し,そのうち適切な判断による学級閉鎖は9回であった. 2013/14は適切な判断による学級閉鎖は4回中0回(0.0%),2014/15は4回中1回(25.0%),2015/16は8回中3回(37.5%), 2016/17は7回中5回(71.4%)であった.学級閉鎖率と学校全体の総欠席率の相関係数は-0.08となり関連がなかった.一方,適切な学級閉鎖率と学校全体の総欠席率の相関係数は-0.95 (P=0.05) と強い負の相関を示した.適切な判断による学級閉鎖を実施した学級の総欠席率(30.2%)は,適切な判断でなかった学級閉鎖を実施した学級の総欠席率(39.7%)よりも有意に低かった(P<0.05).【結語】適切な判断による学級閉鎖により,インフルエンザによる欠席率が低くなることを示した.インフルエンザ疑いを含んだインフルエンザ欠席率が10%以上となったときに学級閉鎖を実施することが感染伝播防止に効果的である.}, pages = {39--48}, title = {2013/2014年~2016/2017年の新潟市内小学校におけるインフルエンザ感染拡大防止のための適切な判断による学級閉鎖の効果検証}, volume = {132}, year = {2018} }