@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00006140, author = {Matsubara, Ryosuke}, journal = {19世紀学研究, 19世紀学研究}, month = {Mar}, note = {19世紀ドイツの国民記念碑においては、「偉大なる過去」を自国の国民史に「予型」として組み込み、自身が生きる政治的現在時に「より高い次元での成就」としての正統性を付与するために、しばしば予型論的な図像プログラムが利用されている。ドイツ・ロマン主義の文学的言説が、このような歴史語りモデルの産出に関与していることは、アイヒェンドルフのマリーエンブルク論が示す通りである。ドイツ騎士修道会の居城がプロイセン=ドイツの国民記念碑として再建される過程を総括する本書では、中世の歴史遺産を近代的な国民統合の象徴へと再解釈するために予型論的な語りが駆使されている。しかし、予型論的な時間構造を支えるはずのモティーフの中には、近代を「成就」として正統化することに失敗しているものがある。だが他ならぬ予型論的構造のこのような破綻によって、アイヒェンドルフの国民記念碑思想は、現存するものの単なる肯定と正統化を超えて、ある種のユートピア的様相を帯びることになる。}, pages = {97--107}, title = {Eichendorff und das deutsche Nationaldenkma : Versuch einer Skizze der Problemlage}, volume = {7}, year = {2013} }