@misc{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00005995, author = {目﨑, 直実}, month = {Mar}, note = {近年,遺伝子検索により確定診断が可能となった成人発症大脳白質脳症が増えている.Autosomal dominant adult-onset demyelinating leukodystrophy (ADLD) は,常染色体優性遺伝を呈する成人発症大脳白質脳症の一病型である.ADLDは,中年期以降に自律神経障害から発症し,錐体路徴候や失調を呈する.ADLDの原因としてLamin B1(LMNB1) 重複とLMNB1上流のエンハンサー領域の欠失が報告されている.LMNB1は核内膜の裏打ちタンパクであるLaminB1をコードする.いずれのタイプの変異においてもLMNB1の発現が亢進することが示されており,LaminB1タンパクの過剰産生がADLDの病態機序として考えられている.本研究は,成人発症大脳白質脳症患者を対象にLMNB1および周辺領域のコピー数解析を行い,本邦ADLDの臨床遺伝学的特徴を明らかにすることを目的とした.原因が未同定の成人発症大脳白質脳症の99例を対象とし,LMNB1とその上流領域の遺伝子コピー数をTaqManプローブによるリアルタイムPCR法で解析した.この解析によりLMNB1重複を3家系4例同定した.ゲノム上の重複範囲は153kb,220kb,221kbであり,既報のLMNB1重複範囲と異なっていた.またLMNB1上流のエンハンサー領域の欠失を1家系2例同定した.この家系の欠失範囲は249kbであり,既報1家系で示された欠失範囲(660 kb)よりも狭い領域の欠失を認めた.次に,コピー数変化を示した症例の末梢血白血球から全RNAを抽出し,LMNB1発現量解析を行った.重複を示した4例のLMNB1発現量は対照者と比較して有意に増加していた.一方,欠失例ではLMNB1の発現量に有意な差を認めなかった.LMNB1重複を伴う6例の平均発症年齢は46.3±7.6歳であった.重複例は起立性低血圧,錐体路徴候,運動失調が全例で出現しており,既報例と類似していた.欠失例では自律神経障害を認めなかった点が重複例と異なっていた.本研究で同定したADLDは,既報例に比して認知機能障害が重複例・欠失例ともに高頻度であった.MRIでは左右対称性の大脳白質と中小脳脚の信号変化を認め,側脳室近傍白質は比較的保たれていた.本研究で示されたADLDの臨床・画像的特徴は成人発症大脳白質脳症患者の鑑別診断と効率的な遺伝子解析の施行に有用であると思われた., 学位の種類: 博士(医学). 報告番号: 甲第4397号. 学位記番号: 新大院博(医)甲第796号. 学位授与年月日: 平成30年3月23日, 新大院博(医)甲第796号}, title = {常染色体優性遺伝性成人発症脱髄性白質脳症におけるLMNB1遺伝子コピー数解析と分子臨床遺伝学的検討}, year = {2018} }