@misc{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00005992, author = {野澤, 孝徳}, month = {Mar}, note = {Glioblastoma(膠芽腫)は成人原発悪性腫瘍で最も多い腫瘍であり、手術、放射線治療、化学療法を組み合わせた治療を行っても、その予後は依然として不良である。Glioblastomaは明らかな前駆病変なく、新規に急速な進行を示す原発性glioblastomaと先行する低悪性度星細胞腫から緩徐に進行し、悪性転化して発生する二次性glioblastomaに分けられる。isocitrate dehydrogenase (IDH;イソクエン酸脱水素酵素)が両者を特徴づける重要な遺伝子変異であることが分かっており、原発性glioblastomaではIDH1/2の変異は極めてまれであり、二次性glioblastomaでは高頻度に認められる。Epidermal growth factor receptor (EGFR; 上皮成長因子受容体)遺伝子増幅およびその変異型であるEpidermal growth factor receptor variant III (EGFRvIII)はglioblastoma, IDH wild-typeに認められる代表的な遺伝子変異である。EGFRvIIIは腫瘍特異的な細胞膜抗原であり、リガンド非依存的に常時活性化し、細胞内シグナリングを増強し、血管増生と腫瘍増生を促進させることが知られている。EGFRvIIIはその腫瘍特異性から、これまで治療ターゲットとして注目を集めてきたが免疫組織化学的な検索が不十分であった。本研究では、Glioblastoma, IDH wild-typeと診断された48患者の手術標本を用いて、EGFRvIIIに特異的な抗体を用いて、免疫組織化学的検索を行い、細胞形態、EGFRvIII陽性腫瘍細胞の分布を評価した。さらにはEGFRvIII発現の予後への影響を評価した。EGFRvIII陽性は再発1症例を含む12標本、11患者で認められた。免疫染色では複数の突起を有するグリオーマ細胞においてEGFRvIIIおよびglial fibrillary acidic protein (GFAP)の発現が認められた。EGFRvIII陽性細胞は腫瘍の中心部に存在し、辺縁部には存在しなかった。再発症例が1例あり、腫瘍に対する治療効果を確認することができた。単変量解析を行った結果、EGFRvIII発現の有無は生存期間に関与しないことが示された。本研究ではEGFRvIII陽性細胞は星細胞系分化を示し、GFAP陽性の腫瘍細胞が認められる腫瘍の中心部に存在し、浸潤領域には存在しないことが示された。この知見は、EGFRvIIIは腫瘍増殖には関与するが、浸潤するglioma細胞はEGFRvIII発現を失っていることを示唆している。, 学位の種類: 博士(医学). 報告番号: 甲第4394号. 学位記番号: 新大院博(医)甲第793号. 学位授与年月日: 平成30年3月23日, 新大院博(医)甲第793号}, title = {EGFRvIIIを発現した膠芽腫細胞の特徴と分布}, year = {2018} }