@misc{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00005825, author = {露木, 孝尚}, month = {Sep}, note = {本学位申請論文では、素粒子標準模型に含まれない新粒子、右巻きニュートリノの現象論について考察する。この新粒子を導入した模型では、標準模型で説明不可能なニュートリノ振動、すなわちニュートリノが質量を持つことを説明できる。右巻きニュートリノはゲージ一重項であるため、Dirac 質量よりも大きなMajorana 質量を持つことができる。その結果、ニュートリノ振動実験の結果が示唆する小さいニュートリノ質量が自然に得られる(シーソー機構)。この模型では更に物質と反物質の非対称性、および暗黒物質という他の標準模型を超えた宇宙物理の現象も説明できる可能性がある。右巻きニュートリノの性質は、その質量と、左巻きニュートリノとの混合の大きさにより決まる。混合の大きさは、X線衛星観測や電子陽電子衝突実験など様々な宇宙観測、地上実験から制限がつけられている。\n本論文ではこの右巻きニュートリノの混合について、理論的な要請から来る下限及び上限を求める。まず混合の下限は、混合が小さい時にはシーソー機構で得られるニュートリノ質量が小さすぎてしまうことから得られる。一方混合の上限は、混合が湯川結合に比例\nしており、湯川結合には理論の摂動性から上限があることに由来する。混合の上限付近では、第1世代と第2世代以降の右巻きニュートリノのシーソー機構への寄与は互いに打ち消しあう必要があり、このことで世代間の湯川結合に関係がつく。この上限は第2 世代の\n右巻きニュートリノの質量に強く依存する。将来の実験で第1 世代の右巻きニュートリノを発見するためには、第2世代も十分に軽いことが要請される。この研究結果は、今後の右巻きニュートリノ探索実験の重要性を高め、更に、宇宙初期における物質誕生の理論に\n大きなインパクトを与えるものである。本論文は筆者らによる参考論文[1–5] を基にしている。, 学位の種類: 博士(理学). 報告番号: 甲第4231号. 学位記番号: 新大院博(理)甲第415号. 学位授与年月日: 平成28年9月20日, 新大院博(理)甲第415号}, title = {右巻きニュートリノへの理論的制限}, year = {2016} }