@misc{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00005683, author = {伊藤, 岳}, month = {Mar}, note = {筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis: ALS)は、成人期に発症し、進行性の筋萎縮と筋力低下をきたし、呼吸不全により致死性の経過をたどる運動神経細胞の変性疾患である。本症では、運動神経細胞の細胞質内にTAR DNA binding protein-43(TDP-43)による封入体が蓄積する。TDP-43 はRNA のスプライシングに関与する核タンパク質であるが、本症では核から消失するため、病態機序としてTDP-43 の機能喪失が想定されている。一方、本症ではミトコンドリアの形態異常が報告されてきた。しかし、TDP-43 機能とミトコンドリアの形態との関連は不明であった。著者はTDP-43 の機能喪失により、ミトコンドリアの形態が変化するという仮説をたて、これを検討した。方法として、HEK293T 細胞を用い、TDP-43 の発現を抑制し、ミトコンドリアの形態と、ミトコンドリアの形態に関与するタンパク質、mRNA の解析を行った。更に、ALS 患者のホルマリン固定パラフィン包埋脊髄標本から、運動神経細胞をレーザーマイクロダイセクションにより収集し、mRNAの定量解析を行った。HEK293T 細胞ではTDP-43 発現抑制によってミトコンドリアは断片化した。また、ミトコンドリアの内膜の融合に関わるOptic atrophy 1(OPA1)の84 kDa タンパク質の増加、OPA1 mRNA スプライシング多様体8 の増加を認めた。OPA1 の各々のエクソンでは、エクソン4b が増加すること見出した。実際、HEK293T 細胞では、OPA1mRNA スプライシング多様体8 の強制発現によりミトコンドリアは断片化した。最後にALS 患者脊髄運動神経細胞にて、OPA1 エクソン4b の発現量を検討したが、コントロール患者群と比して差を認めなかった。これらの結果から、HEK293T 細胞ではTDP-43 の発現抑制によりOPA1 mRNA エクソン4b のスプライシングが抑制され、OPA1 mRNA スプライシング多様体8 が増加する。これにより、ミトコンドリアが断片化すると結論した。しかし、今回はALS 患者の運動神経細胞にてそれを立証できなかった。今後、TDP43 が核から消失した運動神経細胞に対象を絞った解析が必要である。, 学位の種類: 博士(医学). 報告番号: 甲第4098号. 学位記番号: 新大院博(医)甲第665号. 学位授与年月日: 平成28年3月23日, 新大院博(医)甲第665号}, title = {TDP-43 機能喪失によるOPA1 mRNA のsplicing 変化を介したミトコンドリアの断片化}, year = {2016} }