@misc{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00005555, author = {多賀, 昌樹}, month = {Mar}, note = {プロテオームとは, 生体中において存在しているタンパク質の総体であり,プロテオームを網羅的に解析することをプロテオミクスという. プロテオーム解析には, 主に質量分析装置による質量分析プロテオミクスにより生体内で発現するタンパク質の網羅的な解析と, 抗体を用いた免疫化学組織染色による局在的な情報取得を可能とする抗体プロテオミクス解析がある. 本研究室では,ヒトの腎組織や尿のプロテオームを解析する国際共同研究プロジェクトを組織し,ヒト腎糸球体を構築するタンパク質を質量分析計による網羅的解析を行い,次に抗体によるプロテオーム解析でタンパク質の局在を解明することで, 慢性腎臓病の病因, 病態を解明することを目指している. しかし, 質量分析プロテオミクスで同定された糸球体タンパク質の中には, 抗体プロテオミクスにおいて同定されない糸球体タンパク質が存在した. 本研究では, 質量分析プロテオミクスでは同定されたが, 抗体プロテオミクスでは同定できなかったタンパク質についてその原因を解析することを目的とした.ヒト正常糸球体の同定には,冗長的プロテオームを検出するためSpectrum Mill をサーチエンジンとして用いた。プロテオームを抗体プロテオームと比較した結果, 質量分析プロテオミクスでは同定されるが, 抗体プロテオミクスでは同定されないタンパク質が801個分類された.これらのうち19個 (2.4%) のタンパク質は, 糸球体に染色が確認された.801個のうち, 628個 (78.4%) のタンパク質は, 糸球体以外の腎組織に, それぞれの抗体による染色が確認された. これは糸球体を腎皮質からシービング法にて採取する際の糸球体外組織の混入である可能性であることが示唆された. 抗体プロテオミクスで腎臓の組織がすべて染色されていないタンパク質は154個 (19.2%) あった.154個を血漿プロテオームとの比較したところ,80%以上が血漿中にも存在するタンパク質であった. 抗体プロテオミクスにより腎組織が染色されなかった理由について, 血漿プロテオーム, 尿プロテオーム, マウス糸球体プロテオームとの比較を比較することで, 血漿タンパクの混入, 抗体の特異度に問題があるタンパク質, 質量分析計による分解産物の同定が存在することが示唆された. 質量分析計を用いる方法では糸球体サンプルの採取における精度と純度を高め, 抗体プロテオミクスでは対応するタンパク質の高品質な抗体作成と複数抗体の作成および, 染色技術の向上が必要であると考えられた., 学位の種類: 博士(医学). 報告番号: 甲第3984号. 学位記番号: 新大院博(医)甲第630号. 学位授与年月日: 平成27年3月23日, 新大院博(医)甲第630号}, title = {正常ヒト糸球体タンパク質の質量分析計と免疫組織化学染色の比較 : 質量分析計だけで同定されたタンパク質の解析}, year = {2015} }