@misc{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00005548, author = {横田, 陽子}, month = {Mar}, note = {p53遺伝子変異は同蛋白過剰発現として免疫組織学的に同定することが可能とされているが、免疫染色に用いられるモノクローナル抗体にはさまざまなものがあり、どのような染色態度を蛋白過剰発現とするかについても一定の基準はない。本研究では免疫染色による蛋白過剰発現判定法の確立を目的として、市販・汎用されている2種類 (PAb1801、DO7)のモノクローナル抗体を用いて、それぞれの染色態度と遺伝子変異との相関を検討した。外科切除ホルマリン固定大腸進行癌29病変、内視鏡的に切除された大腸粘膜内腫瘍53病変を対象とし、2種類の抗体を用いた免疫染色で同一領域の染色態度を判定した。次に、各領域からマイクロダイセクションによりDNAを抽出して、p53遺伝子のエクソン5-8をPCRで増幅し、シークエンス解析により遺伝子変異を検索した。進行癌29病変から42領域、粘膜内腫瘍53病変から237領域の合わせて279領域が検索対象として抽出された。2種類の抗体間の免疫染色態度の対比では、DO7染色はPAb1801染色に比べ陽性細胞頻度がより高く、染色強度がより強く表現される傾向があった。蛋白過剰発現の判定は、用いる抗体により異なる。PAb1801染色では、nested (陽性細胞が混在しない陽性細胞集蔟巣が散在)とdiffuse (陰性細胞が混在することなく陽性細胞がびまん性に存在)が、DO7染色では、nestedとdiffuse/strong (染色強陽性) が、他の染色態度に比べ有意に高い遺伝子変異率(71.1-94.4%)を示したことから、これらの染色態度を蛋白過剰発現とすることが妥当と考えられた。蛋白過剰発現を示す領域の遺伝子変異はその大半(86.2-100%)が、アミノ酸置換を伴うmissense mutation (またはmissense mutation を伴う)であり、変異型p53蛋白が免疫染色により同定されたものと考えられた。他方、DO7染色ではdiffuse/weak(染色弱陽性)のものに遺伝子変異は認められず、同染色態度を蛋白過剰発現としないよう注意が必要である。一方、免疫染色陰性領域でもPAb1801染色の50%、DO7染色77.3%には遺伝子変異が認められ、それらの変異パターンはdeletion、insertion、nonsense mutation、splicing site mutation など蛋白のtruncation をきたす変異であった。p53免疫染色陰性例にもp53蛋白不活化をきたす遺伝子変異が存在する可能性を考慮する必要がある。, 学位の種類: 博士(医学). 報告番号: 甲第3977号. 学位記番号: 新大院博(医)甲第623号. 学位授与年月日: 平成27年3月23日, 新大院博(医)甲第623号}, title = {免疫染色によるp53蛋白過剰発現の評価法について : 遺伝子変異との相関からみた検討}, year = {2015} }