@misc{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00005394, author = {荒川, 武蔵}, month = {Mar}, note = {視神経脊髄炎 (neuromyelitis optica: NMO) は脊髄と視神経に病変の主座を置く中枢性炎症性脱髄疾患である. NMO ではアクアポリン4 (aquaporin-4: AQP4)水チャネルを標的とする自己抗体が血清中から検出され, 病理学的には広範なAQP4 染色性低下を伴う補体介在性の破壊性炎症性脱髄を認める. これらの知見から, AQP4 抗体はNMO 病変の形成において主要な役割を果たしていると考えられている. AQP4 は視神経, 脊髄以外の中枢神経系にも広く分布している. NMOは視神経や脊髄など特定の部位に病変を呈しやすいが, 既存の概念を越えて多彩な病変を形成することが明らかになっている. NMO 病変の分布や特徴の差異は,AQP4 の発現分布だけでは説明できない. この差異を生む機序を解明するために,NMO 病変の部位ごとの特徴を明らかにすることを目的とした.検索方法としては, neuromyelitis optica spectrum disorders (NMOsd) として, その脊髄にAQP4 の広範な低下を伴う補体介在性の破壊性炎症性脱髄が病理学的に確認された7 症例, 多発性硬化症3 症例, 対照4 症例の剖検脳を対象に,脊髄, 視神経, 大脳白質, 大脳皮質, 脳幹, 小脳について病理学的検索を行った. その結果, NMOsd の視神経, 大脳白質, 脳幹の病変では脊髄病変と同様にAQP4 の広範な低下を伴う補体介在性の破壊性炎症性脱髄が観察された. NMOsdの大脳皮質では, 補体の介在や破壊性炎症性脱髄を認めなかったが, 神経細胞脱落と皮質第I 層に限局したAQP4 染色性低下を認めた. 延髄最後野の病変では,選択的なAQP4 喪失と補体沈着を認めたが, 組織構築の破壊は明らかでなかった.NMOsd の小脳では神経細胞脱落や脱髄, AQP4 染色性の変化, 炎症や活性化補体の沈着などの病理変化は見られなかった.以上の結果から, NMO では同一症例の中枢神経内においても, 部位によって異なる補体やAQP4 の病理変化が認められ, 視神経脊髄型, 大脳皮質型, 延髄最後野型の3 型に分けられることが示された. AQP4 抗体が病変を形成する機序として,補体依存性の細胞障害, 抗体依存性の細胞障害, AQP4 内在化などではこの3 型の違いは説明できず, AQP4 のアイソフォームの違いや補体制御因子の共発現状態の違いを想定して, 今後さらなる研究が必要である., 学位の種類: 博士(医学). 報告番号: 甲第3832号. 学位記番号: 新大院博(医)甲第572号. 学位授与年月日: 平成26年3月24日, 新大院博(医)甲第572号}, title = {視神経脊髄炎における病理所見の多様性について}, year = {2014} }