@misc{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00005373, author = {凌, 一葦}, month = {Sep}, note = {統合失調症の初期症状は20歳前の中学生・高校生に出現する場合がある. 初期症状を見逃さないためには, 中学生・高校生の親たちが彼らの心身の状態やその変化に細心の注意を払う必要がある. 一方, 本人もしくは親たちが持つ統合失調症に対するスティグマ(社会的烙印)は, この初期症状の否認と受診回避の1つの原因となりうる. 日本の家庭では, 父親に比べて母親が子供の育児にかかる時間が長いことが知られている. そこで, 本研究は中学生・高校生をもつ母親を対象として, 統合失調症へのスティグマの高低に影響する因子の探索を統計学的に行った. 本研究のアンケート調査の対象は, 中学生・高校生を持つ38歳から57歳までの母親1,225例である. 本研究の解析に用いた人口統計学的な因子は11因子である. すなわち, 母親のアンケート時の年齢, 子供の学籍, 母親の学歴, アンケート時の居住地, 配偶者の有無, 家族構成, 職業, 雇用形態, 世帯年収, 統合失調症の人との接触経験の有無, および, 精神保健福祉活動に参加した経験の有無である. 中学生・高校生を持つ母親が統合失調症に対して抱くスティグマの程度を計測するために, Linkスティグマ尺度修正版を用いた. データ解析は単一因子解析と多変量解析の両方が行われた. 複数の群間での平均値の有意差検定は, Welchのt検定, Studentのt検定および分散分析(ANOVA)により行われた. Linkスティグマ尺度のスコアの高低に有意な影響を及ぼす因子の抽出には, 逐次変数増加法による重回帰分析を用いた. この重回帰分析における従属変数はLinkスティグマ尺度のスコアであり, 説明変数の候補因子としてすべての人口統計学的な因子を用いた. 対象者1,225名のうち89.7%の母親は年齢が50歳未満であり, 大学卒業以上の最終学歴を持つ母親は全体の22.1%であった. また, 就労形態が常勤以外である母親は全体の83.3%, 世帯年収が500万円以上である母親は全体の69.5%であった. 統合失調症の人との接触経験をもつ母親は3.2%, 精神保健福祉活動に参加した経験がある母親は8.3%であった. スティグマの程度に影響を与える因子を抽出する多変量解析を行った結果, スティグマを高める因子として, 居住地(東海・近畿地方以外の地域), 配偶者なし, 職業(医療従事者・教育関係者・公務員), 統合失調症の人との接触経験あり, であった. 本研究の結果より, 日本における中学生・高校生の母親が持つ統合失調症へのスティグマの特徴が明らかとなった. スティグマを高める因子の中で, 配偶者なしの母親や職業として医療従事者, 教育関係者および公務員である母親に対して, 適切な啓発活動を行うことによりスティグマを下げる可能性があると考える., 学位の種類: 博士(医学). 報告番号: 甲第3815号. 学位記番号: 新大院博(医)甲第567号. 学位授与年月日: 平成25年9月20日, 新潟医学会雑誌. 2013, 127(12), 670-680., 新大院博(医)甲第567号}, title = {中学生・高校生の母親が持つ統合失調症へのスティグマの決定要因に関する研究}, year = {2013} }